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冬靴を履いたら、なんだか勝てるような気がするんだ。

拍手の音は空気を叩き潰した破裂音なのだろうか。それとも自分の肌と肌がピッタリ合わさるから、「正解」の時にでた特別な音なのかまだわからないけど、もう冬がきた。
冬の歌をラジオは流し、悪天候への注意をいつもより多めに伝えていた。
聞いたことの無い洋楽でも、何となく冬の曲だと分かることがあるのが音楽の魅力のひとつだ。

窓ガラスを伝う雪塊がゆっくり滑り落ちる。
暖房が創り出した雪のパズルピースたちは、窓の縁に積もっていくけどパチっと「正解」の音は聞こえない。
暖房の熱が塊を壊すしている。
雪の結晶だと分かるような気がして、そのまま滑り落ちる姿に目を奪われるから、時間がゆっくりと流れていると錯覚してしまう。

朝は待ってくれないのに、4℃の中でスコップで雪をかくのは子供の頃と同じだから、やっぱり時間がゆっくりと流れているらしい。
今日は「柚子湯の日」だってさ。
ラジオが言っている。

そんなことを気にしているのは大人だけさ。ぼくらは雪をかく。

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