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雨を伝える。

右の空は眩しかったから、左の空を見上げる。

水色を画用紙の上にのばした色。それと薄く浮かぶ白いのは、あとから描いたのかな。
いや、元は白い画用紙に水だけを這わせれば、薄まった水色の下からは、あんな色が顔を出すのだろうか。そんなことを考えているうちに、その白は霞んで消えていた。

直視できない何かのせいで眩しい右の空が、当たり前の夏の空なのに見ていられない。
左の空はどこまでもブルーに広がるから、こっちの方をみんな見てる。

だから、空は水色に塗ったんだ。
こんなにも熱い空を水の色で塗り潰す。


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