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ゴモラが好きだった

怪獣が好きで、なんとか星人はすきじゃなかった。
怪獣大図鑑みたいな本を夢中で眺め、こいつは重さが凄いとか、硬いとか、尻尾の力が強いとかに興味津々だった。
なんとか星人は、大体は宇宙からやってきて名前の違うビームを撃つ。それが裏切り者ぽくて嫌だった。話しかけるというのが、より気味が悪く感じたのかもしれない。仲間にはしたくない、そんな感じがしていてから、持っていたソフビ人形も偏りがあったように記憶している。

怪獣は、地面の中から出てくるからロマンがある。
どっかの山やなんかの下に眠っているけど、目を覚まし暴れだすのだ。その目を覚まして暴れるというシンプルな行動。でも寝てるところで人間がやかましくしてる、そりゃそうだよなという理由に可愛げがある。
目の前の砂山を見て、何処か遠くの山の下に眠る怪獣たちを思い浮かべる。ときには、近くの水道から引っ張ったホースで水を流すこともあった。それはそれは、より楽しい。
想像力の力で動く怪獣たちが、毎日どこかで目を覚ます、はずだった。いまは怪獣は、いないらしい。

砂場もブランコも、ジャングルジムも皆消えていく。鬼ごっこくらいはしても許されるのかな。あだ名で呼ぶのは、駄目らしい。

怪獣も、寝てるだけだったらいいけど。
もう、いなくなったのかな。

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