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夏に向う春

下水の音すら涼しく聞こえる暑さが嫌になった。今年もこの調子なのかと午後の空を見る。
湿気はない。
近くの無人駅を出た列車が通り過ぎる。
風は気持ちいいから雀が求愛して飛び回るのを見ても目を瞑ることができた。気持ちよくは無い、そんな眠気がべっとりと目のまわりを覆う。
ぼくは寒いほうが好きだ。あの罪深い気持ちにさせるには十分なほど暖かい毛布が好きだ。

駄目だ、今は考えたくない。
自然と目が閉じる。このまま寝たら、確実に寝汗をかくだろう。そして、気分悪く目覚めるから眠りたくない。
でも、抗えないようだ。
暫し、気持ちの悪い眠りにつくとしよう。最近の春の午後は嫌いだ。

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