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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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#ポエム好きな人と繋がりたい

空模様

空が包んでいるのか、空と一緒に浮かんでいるのか分からないけど、勝手に僕らはその中にいる。 そして、好きなうたを歌って、美味しいものを食べて、誰かを好きになった。 その日の空はとびきり良くて、自分とセットで一日が造られる気さえするんだ。 でも空はいつでも、誰かにとってはとびきり良くて、もっとも悪くて。 勝手に僕らはその中にいる。 雲が動いて、僕らが動いて。 誰かの空を、今は見てる。

ピンスポットを意識して。

自分はとても冷たい人間なのだろうかと度々考える。この「冷たい」というのは、当然、世間一般と比べてだ。 これは不毛な悩みなのだろうとは何となく分かっているから、なおの事、しんどい気持ちがする。 度々訪れる。 この考えにいたる出来事が、定期的に訪れる。 年齢を重ねたから、しょうが無い。そう思い、何とか乗り越えていく人になりたい。けれど、今のわたしはそうではない。その悩みの輪郭が分かる程度に調べ物をし、「こんなことは自分がすることなのだろうか?」と、この瞬間も感じている。 もし

クッキーが食べたい。

かなしい話をどうにかするために、クッキーを食べた。 密閉用のふたに、透明な容器。 それを空っぽにしたいから容器に手を突っ込んでクッキーを取り出す。 まん丸のクッキーと容器の中に残ったくずの粉。あれは今は必要ないものなのか、元々いらなかったものなのか。 珈琲の苦みを旨味だと思わせるトリックスター。 空になった容器には、かなしい話を詰めてふたをする。 丸くなったらクッキーと呼ぼう。

もう忘れたよ。

はじめて君を見たのは9歳の時。 そして、はじめて何かをかわいいと思ったのは9歳の時。 それからもう一つ。 はじめて嘘つきになったのも9歳の時。

お肉が食べたいから、焼き肉する。

レゴブロックで造ったロボット。 お菓子の空き箱で造った怪獣。 どちらも等しく大事だったのは一瞬で、完成品の玩具が欲しくなった。 太陽のせいで暑いなんて思ってないころから、風が涼しいのは知っている。 時間の使い方を考えているうちに、時間の埋め方が上手くなってしまったから、多分、疲れるんじゃないかな。 過ぎ去る時間が怖い。 なのに、どうしてかゆっくり流れる隙間の時間を無くそうとする。 人間以外の動物は、賢い。

扇子、団扇、扇風機。

冷蔵庫から出した牛乳パックを振って、中身の有り無しを確かめた。 見えない物を確かめるときには効果的な方法。 となりの部屋では、扇風機が嫌な気持ちをふり払うように頭を振っている。 セミが今まで何回鳴いたか知らないし、ぼくが「あっつい」と何回言ったかも知らない。 そんなぼくでも知っているのは、線香の火を吹き消してはいけないこと。 手で仰いで消すものだって昔教わった。 バイバイと手を振るのは、何の有り無しを確かめているんだろうか。 昔、教わったのだろうか? おぼえていない

綺麗に丸が描ける人は、絵がうまいんだってさ。

これは単なるイメージ。 図書館で本を選ぶのは楽しい。無料でここにあるすべてのお話を最後まで楽しんでいい。 「体験版はここで終了。続きは有料版でお愉しみください」なんてことはなく、本当に隅々まで楽しんでいい。 たくさんの四角が列んでいる。 本が四角いのは、列べるのに便利だからなのか。置く。そこに置いておきたいものは、平らなものだ。たぶん、巻き物のように積み重ねていたけど、転げ落ちて、なくなったのだろうと思う。だから、動いてほしくないものは四角いのだ。 なんだか同じ形のほ

冷やした後より、かき混ぜてる今を楽しんでもいいはずだ。

グラスを置いた小さな計量器。 「ゼロ表示」ボタンを押して朝食の準備。 オートミールは30グラム。 見た目では、グラスの下のほう3分の1くらい。 ミルクと蜂蜜。 ヨーグルトも入れようか。 冷凍ベリーもチョコレートも、おいしい。 こんなにたくさん入れたら200グラム以上になったけど、体の中にあると言われる大事なアレは、確か10分の1くらい。 それで生きている不思議と、そんなことが気にならないくらいに走り回る「真夏の好奇心」に感謝を込め、ラップをかけて冷蔵庫に入れる。 明日

あっち、こっち。

新潟は突然の大雨が降った。 夜の2時くらいかな。寝ぼけていて定かではないが、雷の音と屋根を叩く雨。それから短い停電があったようで、止まったエアコンで起きる。 今年は梅雨がスパッと終わった印象だったから、雨がふることに時期外れだなと勝手な感想をぶつける。 新潟の梅雨は、特にここ数年はダラダラと長く、明けたといわれてもジメジメが続くイメージだった。それが、今年はスパッと、本当に刀でぶった切ったように湿気が抜けた日が続くもんだから、雨への警戒心ゼロの強い日差しと熱中症だけ気にして

ぼくは、化け猫派。

好奇心を飼い慣らすネコがいるとしたら、そのネコはなんと呼ばれるだろうか。 優しい心の持ち主は、好奇心をどう扱うのか。みんなが自分の好奇心のままに行動したら、いや、たとえば性善説を信じているのなら、それで全てが上手くいくのだろうか。 結局は、運悪くして不幸に見舞われてしまう人もいるだろうから、そこから意義を唱える人もいるはずだ。 でも、もしも、九つ命があると言われるネコが、その九つの命を使い切るほどに好奇心のままに生きることが素敵なことだと証明してくれたのならば、ニンゲンも