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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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2024年4月の記事一覧

献血できなかった日

 29日に5度目の献血に行った。  スマホに入れてある献血アプリから時間を選んで予約するだけ、簡単だ。あとは献血予約日当日に、注意事項をチェックして予約したセンターに向かう。献血は車で行くのだが、周辺に大型ショッピング施設があるのと献血すると結構余裕をもった時間分の駐車無料チケットがもらえるので、その後のブラブラ買い物時間に気がいく。メガネケースがほしい。    献血センターに到着すると、体重を計測して受付をする。ポイント(献血するとポイントが貯まります)がある程度貯まってい

ポトフは野菜を焼いてから作る

 フライパンに少量の油を垂らし、玉ねぎ、にんじん、ウィンナーを焼く。水を入れて煮る前にこれをするだけで、ボクの好きなポトフになる。一人暮らしだと、どうしても同じメニューを食べきるまで連続することが多いから、飽きない汁ものが好きだ。シチューやカレーは、最初の1杯の食べたさに騙されて多めに作ると後悔する。冷凍すればいいのだろうが、そんなに丁寧な生活はできそうにない。確実に面倒臭いが勝ってしまう。だから、ポトフを作ることが多い。  ポトフが好きな理由は他にもあって、まず、わたしは幸

帆のない船

水に浮かぶ舟 すこし水の交じった空の下で 誰かに会うために動き出して 泳ぐ 雨が降ると息苦しいから すこし水の交じった空を見て 何も無い空に見惚れて 泳ぐ 雨からぽっかり顔を出す 真っ暗な宇宙には星が集まってる だから一番息苦しい 息苦しい理由が分かったから 船に戻って 一眠りする 地球が水を引っ張るから たぶん あなたと会った 地球が水を引っ張るから 涙がこぼれ落ちた 水が無いと息ができない わたしが泳ぐ あなたが わたしを引っ張るから

枯れ木

涙が枯れない 何度泣けばいいの 涙のグスが住んでいる部屋 そのドアの前に立ってノックする 昔はよく出てきてくれたのに それは大人になったから それは楽になったから それはキライになったから それは悲しくないから それは苦しくないから それは弱くないから よく似た顔のクスとスス 二人はたまに顔を見せている 映画を見たり 本を読んだり 誰かの悲しい話を聞いたりすると 二人は現れる 似ているけれど グスじゃない 友人が亡くなったとき 久しぶりにグスと会った でもまた それ

羨むことは卑しい時だけじゃない

 いつもの通勤途中に小学校がある。この辺はわたしが育った地域では無いので、詳しいことは分からない。ただ、綺麗で大きな学校。わたしが知っているのは、通学用のバスが出入りしていることくらいだ。それでも、大人になってみると昔は大きく感じたものが小さく見えるものなのに、その感覚からしても“大きな学校”と感じるということは、実際に大きいのだろう。  その学校の校門の前には毎朝、男性が立っている。そして彼は、学校の前を通過する車にお辞儀をしている。にこやかでキチッとした服装だが、威圧感の

誰のものでもない

 夏と冬が行ったり来たりする空と、それを鬱陶しく感じ始めた4月の朝。「雪以外なら、なんでもいいよ」と言った日が、こんなにも恨めしくなるとは思ってもみなかった。今日は30℃、昨日は17℃。エアコンでも、そんな極端な設定にしない。  休日出勤を終えたら何をしよう。映画館に行きたいなと、朝から1日の終わりを楽しみにするのが習慣になってしまっている。もうすぐゴールデンウィークだけど、暦通りの飛び石連休。特に予定を入れることもない。ニュースで見る楽しそうな人間活動は、あくまでもテレビの

いい加減なことが好ましいときもある

 熱しやすく冷めやすいのは相変わらずだから、カフェインレスのコーヒーを飲んで気分だけでも整える。コーヒーカップを唇に当てながら、カフェインレスとデカフェの違いはなんだ? と、たいして興味のない疑問が浮かぶ。ノンカフェインもあるな、と。  まあ、どれかが日本の造語で、あとは英語なんだろうと適当に納得する。  奇心旺盛な人はすぐに調べるんだろうか? と、ズボラな私の頭はすでに別のところにフラフラ歩き出していた。このままにしておくのは気持ち悪いのだろうかと思うと、余計にそのままにし

身体を意識して動かすのは難しい

 寝る前にヨガマットを広げて、硬くなった体を曲げる。気持ちいい。  運動は苦手な方だけけど、柔軟性があるということがその劣等感のようなものを和らげていたけど、それは昔のこと。つっぱる身体の裏側と関節付近の筋たちの泣き顔が手に取るようにわかる。  なるべく、今見ている動画のインストラクターが言うカウントで呼吸をしようとしても、膨らむお腹の皮すら抵抗してくるから上手くいかない。さらには筋が吊りそうな感覚の手前でなんとか姿勢をキープしようとすると、身体が力み、動画から聞こえる「ゆ

疎遠

 少し離れたところから私が見る葉桜は、セピア色に見える。  新しい環境になってから数週間、気分転換と安心を求めて顔を見せ合う。でも、まだ忙しさの中にいて余裕なんて無いのに、共に笑った。  花と葉が並んでいるほうが植物として普通の姿なのに、花咲くときばかりを祝うから、花が散る姿が寂しくなる。  並んで歩く。  いつもしていたように、これからも会って歩こう。たまにはさ。

不毛な思いは、夢うつつで。

 タイムマシンができたとしても、未来には行けるが、過去には戻れないんだって。それから、人間が想像したことは、必ず実現できるんだってさ。そして、この2つは矛盾に満ちているようでそんなことは無い。みんな未来に本気で行きたいけど、過去に行くことに本気になれる人の数が少い、それだけなんだ。  時間を移動することは、ある時間を構成する成分を限りなく同じ状態で、他の時間で再現すること。この時間というものだって、誰かが思いついた考え方に過ぎない不確かなものだけど、その時間があるものとして

そういう関係

「誰のことも信じれない」と言った人がいた。結局、最後に信じれるのは自分自身だけだと。 たとえ嘘をつく人がいても他人を騙す人がいても、自分だけを信じていれば世界を信じているのと変わらないとも言った。 見えている世界は人それぞれで、傷付かないように心を守るか名誉や財産を守るか、そのバランスも人それぞれ。 傷は痛いから、悪いのか。 悪いこととは、良くないことすべてであって、悪いことすべてが禁じられ近寄るべきではない「悪」なのか。 そして、悪が傷つけたものが後に副産物をもたらしても

ハイテル

いつもよりも すこし遅く目を覚まし 簡単に朝をはじめる 休日の太陽を わたし次第でエスコートする 靴箱にいつも隠してる ガラスシューズを出してきて 街に春が咲く間中 好きなように 足元に敷かれた花びらのじゅうたんの上を走る でも本当は 覚えている ガラスシューズは足が痛い 桜の花びらだって踏みたくはない 拾い集めた花びらを手に乗せてみたい 汚いなんて 知らないわ 裸足のまま走って  忘れたくないことは 忘れない やりたいこと以外は もうしない もう真夜中

ただサラダ菜をもぎっただけの朝ごはん

 昨日買ってきたサニーレタスの根元に、ちょっと土がついている。「ああ、サニーだな」と思いながらキッチンで洗い流す。本当のところ、サニーレタスの名前の由来なんてしらないし、土がついているのが普通なのか稀なのかも知らない。でも、たまに「いい名前だな」と感じる言葉があって、それだけのことで一瞬の気持ちの高揚とポジティブなエネルギーが湧いてくる。  語感がいい、それだけのことなのかもしれない。そして、それを勝手な想像力で何かに結び付けてしまうのは、癖なんだろう。案外、日本人にはそうい

起きるイベント

 肌寒さに起こされて、カーテンの外の曇り空を一応確認してみる。顔を洗う水は、まだ冷たかった。そして、予約時間を間違えた炊飯器が残り45分のノンレム睡眠。慌ただしい一週間が、そんな感じで終わりに近ずく。  恐らく天気のいい週末。使った頭の中をほぐすには、睡眠よりも適度な散歩が良いと思い、運動用のウエアに着替え外に出た。  速乾性の上下のウエアは風で飛んでいきそうなほどに軽い。これで2千円くらいしかしないなんて企業努力の賜物だと関心しながら、朝3番か、4番の伸びをした。シャカシャ