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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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2024年2月の記事一覧

焚き火はルールを守ってやりましょう

優しさに触れていた気がした ひとりになって 半年たって 雑音だと思っていた音の中に 優しさも入っていたかもしれないと 誰かと一緒にいるときだけ 優しさに触れる可能性がある 思い出の中にもたしかにあるが それは経験した優しさの温度を 身体が覚えているから あたたかくなれる だけど最初の優しさは 誰かと一緒に火をおこさないと駄目なんだろう 薪を焚べるひと 風を背中で遮るひと ただ隣で座るひと 誰かの優しさがあたたかな火をおこす だから ひとりだ

超能力の類だと思う

 夢の中がリアルに感じられることがある。  たとえば、それがうたた寝だったとしても同じことだ。背中の真ん中あたりをひょいと摘ままれて、なにかの、なんとなく膜のような弾力のあるところに放り込まれて、そして、その一枚内側に引き込まれたような感覚がする。眠るということはわたしにとって、そういう場所に行くことをいうのである。  その場所は周りに何も無いことが感じられて、それこそが、実際に現実と同じような、ある種の注意力が散漫している自然な状態であると言える。  それとは逆に、集中す

眠る。

 記憶の中と夢の中では、生きている人も死んでる人もミックスされる。  浅い夜。満月に影響される敏感なボクは、みんなに会うために横になって準備をしたんだ。  最近は何をするにも動きが鈍くなったきたけど、これもまた、みんなに会うための準備なんだから仕方が無い。そう割り切って、横になる。  もう二度と手足が動かなくなるのかもしれないし、昨日までと変わらずに昼が戻ってくるかもしれない。でも、そんなことを心配して横になるよりも、みんなに会ったら何をしようと思いを巡らせる。  月は、ま

知らないのに嬉しいです。

当たり前のことなのだろうが、ふとした瞬間に意識してみると凄いと思ったことがある。 手には、内側と外側があること。 ある日、小さな棘が掌に刺さったのだが、チクッと気になった。痛い程ではないにしろ、放おって置くにはチクチク気になる。 また別の日、手の甲を切っていた。でもこちらは、すこし血が滲んでいるのに、家に帰って手を洗うまで気が付かなかったのだ。気付くまでにも何度もトイレなどで手を洗ったのにだ。どこかに引っ掛けたようで、薄皮がラインになって剥けていた。 手の内側は、何かを触る

素直になりたい。

最近、すこし息苦しい気がする。 実際に体調不良なのか、「気持ちが」息苦しいのかは判断がつかないくらいの胸の辺りのモヤモヤがある。 今週は、連休と連休に挟まれた短い平日。これほど予定を立てるのに絶好のタイミングはない。それなのにどうしてか、つまらない仕事があるだけの平たい日はストレスを溜め込んでしまうようだ。 自分で決めたの節約と、余り疲れないように選んだ仕事。それさえも、「わたしはモノを選ぶのが下手なんだろうな」と感じさせる。 読みたい本があるのに読み進まないと、進行方向に

これはマナーじゃなくて、ルール。

わたしは、四角いキッチンペーパーが許せない。 そのくらい勝手な価値観で、わたしの世界はできているのだ。 だから、キッチンペーパーの形は丸くないといけない。 だって、”パ”とか、”ぺ”とか、そういったものが名前として与えられているのだから、そうでないといけない。名は体を表す、そうしておいてほしい。 トイレットペーパーに、キッチンラップ。 ドロップに、コップ。 お菓子のポッキーやトッポだって真上から見たら、ちゃんと丸になってる。 パイナップルなんてあんなにトゲトゲを反り返して、

故障じゃない、今日は壊れた。

 心の壊れる音が聞こえたから、エアーマネキンを買った。  浮き袋みたいに空気を入れたら膨らむ、その人形に文字を書く。  とりあえずは、手の辺りに初めて繋いだ日付を書く。それから、一言、「あたたかい」と付け加える。  顔には、何を書こうか。  瞳の色、ちぐはぐな歯並び、好きになった笑顔、花粉症。思い付くことを手当たり次第に書く。そして、書き終えたら次の場所へと移る。  背中は広い……。足は毛深い……。靴下脱ぎっぱなし……。  最後は胸の辺りに辿り着いた。「優しい」「臆病」「たま

意味がわからない。

謎の生き物だった。 夢の中に凄く嫌な人が出てきて、イライラして目が覚めた。トイレに行ってもイライラは消えない。まだ深夜一時過ぎ。もう一度、寝直そうと布団に潜っても、嫌な言葉を思い、感情を怒りで満たすような状態が続いた。たかが夢なのにだ。 その人は現実でも嫌な人なのだが、今感じているのは夢の中の出来事。それでも腹が立つし、こんなに無駄な時間を過ごすのは物凄く嫌なのに、止まらない。 そんなことの後は、なんだって失敗に成り下る。 止めたはずのない目覚ましも、果ては、明日の休日出勤ま

怖くてもやめられないもの。

電波の悪い証拠として、円がグルグル回る。ここの駐車所は、いつも眠気をさそう。目を瞑ると時間を消し去り、その分だけ気持ちの良い別のどこかに連れて行かれる。恐らく、ベッドの上より気持ちいい。 二度寝ではないのだが、ついつい細切れに目を瞑ってしまう。恐怖と言ってもいいくらいの誘惑がある。 この朝の眠気が、どうして就寝のときに毎回来ないんだろうか。体内時計がズレているのか、寝具に問題があるのか。ひとつ分かっているのは、意識の違いである。 たとえば夜は、「じゃあ、そろそろ寝るか」とわた

もうすぐ、来るよ。

空が遠くなると、春が寄ってきた ぼくらにカラフルな世界が届く日が、すぐそこまでやってきた たとえば、自分だけ雨降りの中で たとえば、ポケットにもコインがなにも入ってなくても 春の日を歩こう 先に行ってしまった皆より、すこしだけ春の道に詳しくなれるから きれいな花が咲いている公園を見つけて その花の名前を調べて もし、その花が気に入ったのなら眺めるだけじゃ駄目なんだ 図々しく葉っぱに触れる 指についた青臭い匂いと感触と その花に集まる虫の種類から、何日後に

味噌たべよ。

味噌が美味しい。 夕食に迷ったら、具だくさんの味噌汁を作ることにしている。 基本的に失敗しないから、精神的に楽だからだ。なにか、具体的に食べたいものがあればそれを作っても、一緒に味噌汁があっても別に困らないのも良いところだ。 手順も、切って、煮て、火が通ったと思ったら味噌をといて、また少し温めるだけだ。水の量も、食べるときのお椀で一杯づつ食べたい量だけ水を入れれば、測り間違って薄くなったり、塩っぱかったりしなくて済む。 これは、YouTubeで土井善晴さんの動画を見て、「なる

子供は疲れるのが上手い。

あとから考えるとそんなに大したことじやないけど、その時は一番大事だと思っていた瞬間。そんな時に一緒に居たことが、重要なんだと思うけどどうなんだろう。 たまたま、偶然、運良く。理由はなんでもいいけど、それがすべての世界で生きている。 ちょっとしたズレで、プレパラートの上で顕微鏡で覗かれて。 ちょっとしたズレで、害虫駆除業者に駆除されて。 運良く大きな動物だったとしても、猟師に撃たれて、「命に感謝」と食卓に並ぶだけだった。 でも、たまたま人間だ。 偶然、同じ時期、同じ地域に生ま

短歌の気分です。

「目を閉じて泣くより」 周り見て 涙 辛さで詰みよりは 積むほど豊かな オタク道 周りに気を使いすぎると、もうお終いだって思い込むときがある。 だけど、世界に合わせる必要なんて全然なくて、自分だけの世界を楽しむと決めてしまえば案外、楽になることもある。そして、どんな道にも消化しきれないほどの面白いことが待っている。そんなイメージで書いた短歌です。 「嫌んなる」 あれやって これよりさきに あれやって それそり先に ポテチ喰う 駄目な時の自分そのものです。 そして、こ

冬のつもりが、いつの間にか。

白い雪が降りてくる空は、取り残された薄紫色に覆われている。まだまだ冬が、冬ですよと主張してくる。 こんな時期に豆をぶつけられる鬼の気持ちを察すると、居たたまれない。 だから、あんなに血色の悪い真っ青だったり、霜焼けで痒そうな全身真っ赤なんだろうか。素足で上着も着ないで家の外に追い出すなんて、誰が考えたのか。急に現れた、恵方巻という謎の文化が随分と平和的に思える。 子供の頃は、節分にはピーナツとチョコを実家に撒いていた。でも、鬼のお面は自分で被りたかったから、お面を着けたまま