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らふるの考えるオーガニック。

お客様や同業者からよく聞かれることがあります。
「オーガニックは良いんですか?」
この質問に対する返答の何が正解なのか、どう答えたら伝わるのか考えることが多いので、一度整理をしてみようと思いました。

実は、僕はなぜオーガニックを選んだのかは答えられても、オーガニックが「良い」ものなのかどうかはわかりません。
「オーガニックは良いのか」という問いは「良い」が何を指すかによって解釈が異なってくるからです。

はっきりと言えることは「オーガニックであれば(使ってさえいれば)良い」は間違い(不十分)だとは思います。

なぜ、らふるはオーガニックを選ぶのか。

それは、地球環境のこと、今現在いらしてくださっているお客様の未来、自身の子供たち世代のことを考えた時、オーガニックという選択が必要不可欠だと思ったから。

そもそも、オーガニックとはなんなのか。これはやや哲学的な解釈が必要となります。

ヨーロッパではオーガニックの意味としてbiological(生物学上の)やecological(環境上の、環境保護の)が使われている事が多く、オーガニックという言葉には「環境上、生物学上、生態系上における有機的な繋がり」を示していると言えます。

有機的とは「有機体⑵のように、多くの部分が集まり強く結びついて一個の全体を形作り、その各部分の間に緊密な統一と連関があること。」と辞書にはあります。
「それぞれが密接に関わり合って、全体を構成してるさまを指している」と思っています。

つまり有機栽培は、環境にとっても、私たち人類にとっても、その他の動植物にとっても、地球上で構成される生命体の生態系においても外せない栽培方法だと言い換えることができます。

「オーガニックな製品は良いのか。」

という質問が多いのですが、これについてはオーガニック製品だからといってお肌や髪に良いわけではないと思っています。

私も含め、多くの人々は何かモノを選ぶ際、以下のような部分から「良さ」を感じるから選んでいますよね。

・デザイン
・使い心地
・体への影響
・効果効能
・価格設定 etc...

この視点からすると[オーガニックであること=良いもの]とは言い切れません。

なぜなら、オーガニックな製品であろうがなかろうが、基本的に一つの事業として成り立たせるためには全てのモノやコトにおいて、上記の事柄は合格点を満たしていなくてはならないものだと思います。

過去多く見られたのは「オーガニックなんだから使用感がこのくらい悪くても許してよ。」「ストーリーはしっかりしてんじゃん?」というような想いが含まれている製品たち。

そして「オーガニックで体には優しいわけだし、多少の使用感の悪さは仕方ないわよね。」という寛大な心を持ったカスタマー(そんな風には誰も思っていないかもしれないけれど。笑)

近頃は本当に素晴らしいオーガニック製品が増えてきましたが、結局のところ重要なのは

使用感がよく、
体にも喜ばれ、
効果効能も高く、
価格が適正(コストパフォーマンスが良い)。
それでいて有機栽培された原料を使い、サスティナブル・エシカルへの意識が高いモノ。

それが理想だと思います。

それに、オーガニックという製品とナチュラルな製品の定義が曖昧なため、混乱を招いているように思います。そこについてもLaughful的解釈を述べたいと思います。

・ナチュラルな製品…現在の日本では、その定義はとても曖昧で「天然物から由来された成分」をナチュラル系と呼んでいる事が多いようです。植物由来だとは言っても、製造の過程で合成薬品が使われる事もあります。ラフルでは少し異なる解釈をしています。

ナチュラルの反対は人工物、つまりナチュラルな製品とは、自然に近い形の製品という解釈です。石鹸、ホホバ油や椿油、シアバター・ミツロウベースのバーム等を指します。

屁理屈を言えば、科学的な技術は使わず物理的な方法のみで作られたものであっても、人の手が入っているので人工物とも言えますが、我々はこれらをナチュラル製品とします。

・オーガニックな製品…オーガニックという手段を用い、生産された原材料を使用した製品のこと。つまり有機栽培をされた原料を使ったモノのことを指します。オーガニックなシャンプーやスタイリング剤、カラー剤などの、有機栽培された原材料・または自生している植物等を科学的な技術を用いて作られている製品もオーガニック製品となります。

現状では大きな規制はなく、1つの製品に対してどの割合で配合をされていようが「オーガニック成分配合」「〇〇オーガニック」と言えてしまうため、ラフルでは、有機栽培された原料の使用割合が高いモノのみ、オーガニック製品としてご紹介をさせていただいています。

オーガニックはあくまで、サスティナブルな社会の実現に向けての一つの手段であり、僕自身は何事も妄信的に信じ込みすぎることはよくないと思っています。一つの考え方に偏りが出ると、他の手段やカテゴリーのものを否定しがちになります。

カラーやパーマなどのケミカルな施術も否定されがちです。
もちろん負担は数多く見られます。だからやめるという判断もも賢明ですが、両立できる方法がないか探ることも素晴らしい事だと思うんです。

そもそも、カラーやパーマはなぜ生まれたのでしょう。
地球を汚してやろうとか、体に悪いことをしてやろうと思って?
それはきっと違います。
注意深く考えてみると、

「綺麗になりたい」「かっこよくなりたい」「自信を持ちたい」など…

見えてくるのは人々のそういったポジティブな願い。
それに、応えるために生まれたのではないでしょうか。

ただ、使っているうちに弊害として人体に悪影響を与えることがあり、アレルギーや刺激性の皮膚炎を引き起こすことがわかった。
そして地球にも負担をかけている。

例えば、平均気温上昇の大きな原因はCO2ですが、エアコンの室外機から出る温風によるヒートアイランド現象が悪影響を及ぼしているのではないかとも言われています。細かな部分はここでは割愛しますが、いろんな原因でこうなっています。

しかし、エアコンを使わないというのはあまり現実的ではありません。(僕は暑いのが嫌いなのでそうであっては困るのです。)使わないのではなく、使い方の工夫や、環境等に配慮した製品の開発が大切なのではないでしょうか。

様々な課題とどう向き合い、どう対処し、どう改善するのか。

カラーやパーマをすること自体が悪いのではなく、施術するにあたっての適正な施術方法をとっているかどうか、こうした問題や課題が分かった上でどのように製品やサービスをアップデートしていくのかが重要です。

・できる限りオーガニックな製品で対応をする
・電力も可能な限りグリーンエネルギーにする
・長く使える、飽きのこない丁寧に作られたものを選択する
・なるべく優しい薬剤を選択する
・薬剤処理をしっかりと行い不必要な負荷を与えない
〈私たちLaughfulとして導き出した答え〉

などのルールを自分たちに課しています。
しかし、これを一般のお客様の日々の生活習慣に求めるのは、生きにくく、煩わしさを感じさせてしまう。

だから私たちは一連の事柄について、私たちラフルの中でしっかりと問いかけ、議論をし、我々なりの答えを導き出し、お客様はオートマチックにこれらの事柄が解消されるような準備をし、ご提案しています。
お客様には気負いなくご来店いただくことは必要ですからね。

モノやサービスを選ぶ際、これらの事柄に対する一定の基準を満たし、信頼できるお店にお任せし、その中でお買い物をしていけば、購買という行動が一つの投票のようになり、今までこういったことに目を瞑ってきた企業もオーガニックを選択しなくてはならなくなります。

こうなってくるとオーガニック・サスティナブル・エシカルは、もはや当たり前となり、別のところで差別化を行わなくてはならなくなります。

会社とお客様の双方で理想の形を作り上げていくことが当たり前になって行く。

それは、とても良い社会だと私は思うのです。

何が言いたいのかというと、オーガニックは地球にとって良い(当たり前の)モノであり、人にとっては回り回って良いモノであると言えます。むしろあるべき姿に戻すためのもの。

テクノロジーの進歩は素晴らしく、私たちの生活を本当に便利なものにしてくれました。

しかし、テクノロジーが進歩したことによって大きな弊害も出ていることが証明されています。耳聞こえだけ良い広告はもはや必要ありません。

モノやサービスや技術を提供する側が、これらを踏まえて行動を起こせば消費者はそれを使わざるを得なくなります。逆に消費者がそれしか選ばなければ様々な企業は淘汰され、それを提供せざるを得なくなる。

何かの犠牲の上での、表面的な豊かさはもう平成とともにおしまいでいいと思います。


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