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話題のSBI欧州高配当株式を分析したらめちゃくちゃ優良だった!!

話題のSBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)がこの記事1本で丸わかり!

こんにちは、日本でニュースにならない英語の投資関連ニュースを、発信しているCEOらてです。

今回は話題となっている欧州の高配当株で構成されている投資信託
SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」の構成銘柄、手数料などを分析し、ポートフォリオに組み込むのはありかどうかを解説します!

海外の有識者(モルガンスタンレー)が欧州市場を分析しているコメントも紹介させていただきますね。

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SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型) とは?


SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は、2024年2月28日に運用が開始されたSBI証券で、買付やNISAでの積み立てが可能な投資信託です。

日本では運用されることがめずらしい欧州地域かつ高配当の株式で構成されているため、話題を集めています。

年4回 分配金を得ることができ、予想配当利回りはなんと年率6.12%となっています(租税条約税率控除後は5.9%)。

信託報酬も0.099%と0.1%を下回っており、手数料自体も超優良だといえます。

さらに、本投資信託は投信マイレージサービスの対象となっているため、月間平均保有額に対し年率0.0375%が戻ってくる仕組みとなります。よって、実際の信託報酬は0.06%ほどと、コスト面では超優良投資信託と比較しても遜色ありません。

構成比率


それでは、肝心の構成はどのようになっているのでしょうか?

運用開始時点での銘柄が公表されているので、簡単にまとめます。

まず初めに国ごとの比率は以下の通り。

フランス、イギリスの二か国でほぼ半分を占めていることが分かります。


次にセクターごとの比率は次の通り。

10業種で構成

分散度合いは十分とはいい難いかも知れません。金融や自動車の株はいわゆる景気敏感株と言われており、成績に波があります。そういった不安定のセクターの比率が高い点は留意しておくべきでしょう。

しかし、同じセクター内でも国が違えばそれは分散になりますし、世界を代表するような企業に投資ができるという点では、唯一無二の投資信託だと言えるでしょう。

構成銘柄


次は構成銘柄を詳しく見ていきましょう。
(すべての株に均等配分、1銘柄あたりの割合は3.33%)

通信

・ボーダフォングループ (通信大手)英

・テレノール (北欧大手)ノルウェー

・テレフォニカ(通信大手)西

・BTグループ(通信大手)英

・オランジュ(旧称はフランス・テレコムS.A)仏

金融

・セント・ジェームズ・プレース(資産運用など)英

・クレディ・アグリコル(自己資本世界トップクラス銀行)仏

・HSBCホールディングス (世界最大級銀行)英

・BNPパリバ (世界的な銀行、超でかい)仏

・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(スペイン2位の銀行)西

・スウェドバンク(北欧大手銀行)スウェーデン

・アクサ (保険 アクサダイレクトとか聞いたことある) 仏

タバコ

・ブリティッシュ・アメリカン・タバコ (世界4位) 英

・インペリアル・ブランズ (世界6位)英

自動車

・BMW 独

・メルセデス・ベンツグループ 独

・フォルクスワーゲン 独

・ステランティス 蘭(多国籍)

・ミシュラン(タイヤメーカー)仏

・ボルボ(車以外に機械、エンジンなど)スウェーデン

公共事業

・エンジ― (電気/ガス)仏

・ナショナルグリッド(電気/ガス)英

・イベルドローラ(電気)西

・エクイノール(石油)ノルウェー

ファッション

・スウォッチグループ (OMEGA、HAMILTON、Swatchなど)スイス

・LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LOUIS VUITTON、CELINE、Dior、FENDI、LOEWEなど)仏

天然資源

・グレンコア(鉱物など)スイス

物流

・DHLグループ 独

製薬

・ロシュ・ホールディング (ヘルスケア等)スイス

食品

・ネスレ スイス

実はキャピタルゲインも大いに狙える

Sbi証券はこの投資信託について以下のように述べています。
「本ファンドは、欧州の株式を主要投資対象とし、配当利回りに着目して高水準のインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得によるトータル・リターンの追求を目指して運用を行い--…(以下略。)

この投資信託は中長期的にみると株価上昇によるキャピタルゲインも狙えるとのこと。果たして成熟企業が多いといわれる高配当株から構成される本ファンドでそんなこと可能なのでしょうか。

実は可能なんです。

鍵はブレンド株と通信セクター

本ファンドには、バリュー株とグロース株の中間に位置するといわれるブレンド株に属する株が約3分1程含まれています。(テレノール・ボルボ・Nグリッド・イベルドローラ・スウェドバンク・ロシュ・ネスレ・スウォッチ)
また、LVMHに関しては完全なグロース株となっています。

これだけでもある程度の株価の上昇を狙うことができますが、、、

注目すべきは当ファンドにおいて構成比率が、3番目に高い通信セクターです。欧米では最近、最も注目されている業界の一つとなっています。その理由は、多くの通信会社は通信サービスだけではなく、データセンターとしての役割を持っていることが挙げられます。(当ファンド内の通信企業は世界最大規模のデータセンターとしての役割を果たしています。)

詳しく解説していきましょう。

3月8日に公開されたモルガンスタンリーの動画にて、以下のようなコメントがありました。
”The subject of data centers has, until now, largely been confined to the U.S. However, we believe that this is all about to change; and we also think the market significantly underestimates the size and scope of this potential growth in Europe.”
「市場は欧州におけるデータセンターの規模と潜在的な成長性を過小評価している。」

その理由として、①クラウドの成長、②AIの台頭、③データ主権(自国の法律などが適用されるサービスかどうか)の三つが挙げられています。


①クラウドの成長
最近のWeb上のサービスというものはクラウドを介して行われるものがとても多いですよね。例えばSNS、Gメール、iCloudなんかもそうです。欧州のデータセンターの成長の大部分はこのクラウドが占めているとのこと。

②AIの台頭
AIモデルのトレーニングは1つのデータセンターで行われる必要があります。ちなみに私のアイコンも画像生成AIのMidjourneyで作成したものです。

③データ主権
データの独立性についてです。少し実感が湧きにくいかもしれませんね。
身近な例でいえばLINEでしょうか。国のインフラとして機能しているLINEの親会社は日本企業ではありません。しかし、安全性の観点からそのようなサービスは自国で発展させたいというのが本音でしょう。EU圏といえどデータセンターには他国からの独立性が求められています。それゆえにデータの重要性が上がる昨今で、通信業界は今後さらに需要があがると予想できます。

これらの理由から、当ファンドは配当だけではなく、株価の値上がりも期待できる、優良な投資先だと言えるでしょう。

こういうひとにおすすめ

当ファンドをお勧めできる人は
・高配当株の銘柄数を増やしたい人
・欧州の大型株をポートフォリオに入れ、リスク分散をしたい人
・あの憧れブランド or メーカーの株の一部を所有したい人

でしょうか。

S&P500やオルカンのように積立投資の大本命となるようなファンドではないと思いますが、高配当株投資をされている方であれば、ポートフォリオの一部として組入れてもいいかなと個人的には思います。

結論


数少ない欧州地域株で構成されている投資信託で、手数料は最安級、利回りは6%超えとなっているこの商品は、十分にポートフォリオに組み入れるポテンシャルがあると思います。

一部の構成銘柄は安定していないものもありますが、全体としては高利回りを維持できるのではないでしょうか。

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それではまた。

らて

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