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e-MTB初体験

 ご縁がありまして、特別な許可を得て通常は立入禁止区域となっている絶景ポイントを、e-MTB(電動アシストマウンテンバイク)で素晴しい仲間と共に走ってきました。

 ラトシア担当者は、車輪が付いた乗り物は何でも大好きです。

 なので、アラフィフ世代の運動不足を解消する手段として、スポーツ自転車に乗っています。最近まで、ロードバイクに乗ることばかりだったのですが、ひょんなことからマウンテンバイクのガイドツアーに参加して以降、土の上を走る楽しさに再び開眼しました。

日本国内のマウンテンバイク事情

 日本国内では、マウンテンバイクは1990年代~2000年代初頭に大流行して、街中でも数多くのマウンテンバイクが走っていました。また、ダウンヒル競技も盛んに行われていたし、マウンテンバイク専門の雑誌も複数創刊され、多くの部数が販売されていたようです。
 担当者も、当時フルサス(=前後にサスペンションを持つモデル)のマウンテンバイクを入手し、富士見パノラマリゾートのMTBパークや高峰山MTBワールドに通ったものでした。

 しかし、残念なことに自治体や個人が所有する里山に許可なく進入して荒らしてしまう心無いマウンテンバイク乗りが多くいたことからか、専用コース以外では大半の場所で「マウンテンバイク禁止」となり、急激に成長した日本国内のマウンテンバイク市場は急激に減速し、現在に至っています。
 盛況期に創刊されたマウンテンバイク専門誌の大半は休刊し、季刊の「MTB日和」が唯一残るのみとなりました。マウンテンバイクの販売台数も激減し、一般財団法人自転車産業振興協会( http://www.jbpi.or.jp/  )の統計でも、スポーツ自転車の中でマウンテンバイクは10%くらいしかないようです。

 この辺りの情報は、マウンテンバイカーズ白書( https://amzn.asia/d/dmk4BxI  )という書籍から得たものです。ご興味がある方は、是非とも一読していただければと思います。

 しかしながら、12月3~4日に開催された「秋ヶ瀬の森バイクロア」という土の上を走る自転車とキャンプのイベントでは、びっくりするくらい多くの人々が嬉々として自転車で土の上を走っていて、グラベルロードバイクやハードテイルのマウンテンバイクが大半ではあったものの、自転車で土の上を走る楽しさを求めているニーズは意外と大きそうだ、という実感を持つことができました。また、会場の雰囲気や出展者さんや来場者さんに話を聞いたところ、ガチな競技志向ではなくゆるく楽しむ人が多いこともわかりました。

 といった予備情報を仕入れたうえで、今回のテーマであるe-MTBを体験してきました。

今回のライドについて

 今回のライド(と、専門家みたいな用語を使ってみます)は、長野県某所で行政の協力のもとマウンテンバイクトレイルを開設できないか、という調査が主体です。担当者は、事務局としてこのプロジェクトに関わっておりまして、行政の方と自転車業界の重鎮と共にe-MTBをお借りして現地調査に行ってきたのです。

 冒頭の通り、通常は立入禁止区域です。近年多い台風の被害で、クルマやオートバイでの走行は困難になってしまったことからの立入禁止とのこと。また、10%以上の勾配が続くので、視察にはe-MTBが適切と判断されたそうで、準備して頂きました。

すなわち、視察対象は相当荒れた登り坂が多いルート、ということになります。

e-MTBに乗ってみると

 自転車業界のプロの「アシストがあれば大丈夫ですよ」の言葉を信じて走り始めましたが、確かに電動アシストは結構な登り坂でも平地のような負荷で走れます。また、ダウンヒルのような過激な走行ではなく、ゆっくり登るようなシーンでも、前後のサスペンションはしっかりタイヤを路面に接地させることに貢献していて、ペダルを漕ぐ力+モーターのアシスト力が確実にマウンテンバイクを前進させていきます。
 しかも、重いとはいえ23kg程度なので、自走では超えられない障害物があっても、ひょいと持ち上げて越えていくことも可能です。

 この機動力は、他の乗り物では得られない唯一無二のものではないかと思いました。

 ちなみに、この日乗ったのは、MERIDAのeONE-SIXTY というモデルです。新車価格は約70万円と「自転車」としては非常に高価ですが、使われている素材やサスペンションのクオリティを考えると妥当ではないかと思います。
→ 担当者はその昔、自動車レース業界に少し関わっていた時期がありまして、その視点からの考察となります。

 そんなライドの末に辿り着いた場所から見た風景がこれです。

これが快晴だったらどんなに素晴らしい絶景だったことか!

 e-MTBは高価ではあるものの、車輪を使った乗り物の新たなジャンルとして色々な楽しみ方ができそうです。e-MTBなら、担当者のような素人でも10%を超える登り坂を無理なく走破できるので、魅力的なトレイルと共に日本国内におけるアドベンチャーツーリズムとして提案すると、インバウンド向けの需要を喚起する起爆剤になるのでは? と思いました。

 素晴らしい機会を設けて頂いた関係者の皆さんに感謝です!!
 


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