「2025年、人は「買い物」をしなくなる」 望月智之

コロナで自粛ムードが明けつつある中で、初めて行った最寄りのアトレの本屋でたまたま見つけたこの本「2025年、人は「買い物」をしなくなる」。
「2025年ってすぐじゃん、、、」と感じる一方で、最近のAIを活用した技術革新にはさほど驚きがなくなってきている自分もいる、、、

この本では産まれた時からデジタル環境にいる世代をデジタルネイティヴと揶揄しているが自分もそれに含まれる。デジタルの進化に麻痺していることに少しばかり違和感も持つべきなのだろう、、、

脱線してしまったが、最近読んだ本では一番読みやすく、次への知識欲を刺激してくれるいい本だったと思う。作者の望月智之氏はアメリカや中国が先行しているデジタルマーケティングに特化しているといこともあり、他のIT本とは別の視点で描かれていたのではないかと感じた。
結論からいうとこれからは人が陳列棚を求めて買い物するのではなく、AIによって形成されたデジタルシェルフがユーザーのニーズに合わせて自動で購入してくれる未来がくるということだ。

これまでの消費の歴史を辿ると
小売店→ショッピングモール→ネットと消費者がより広いアイテムを見つけられうように進化してきた。だが次の進化はデジタルシェルフの方からユーザーへ好みに合わせて購入してくれるようになるというのだ。
普段使うスマホやパソコンは目の前の物全てはデジタルシェルフになりうる。冷蔵庫が中の物を自己解析して自動で食材を購入したり、時計が健康状態を測定して薬を処方もできようになる。
消費者の購買視点はAIの分析とは別に一層他人の意見を加味するようになる。例えば、レビューの口コミやSNSのインフルエンサーなどがそれだ。今まではテレビで広告を見ていたが、youyubeやinstagramの出現で企業意思がない意見に耳を傾ける人が増えたからなんだとか、、、

__________________________________今回個人的に非常におもしろいと思った点が三点ある。
唯一残る楽しみは開封の儀
買い物をしなくなった世界で人は何に楽しみを見出すのか????
答えは開封の儀。

これを聞いた時なるほどと思った。
確かにくるものが分かっていても開ける瞬間はワクワクする。さらに面白いのは企業が差別化を図るためにUnboxing(アンボクシング)=届く瞬間、箱を開ける瞬間を重要視し、いけてる箱作りにフォーカスしていることだ。

小売店の戦略
ここで紹介されていたのはナイキの戦略
ナイキは小売店での購入が少ないことを利用し、
売り場が存在しないショールームとして商品を与える場ではなく、体験を与える場に切り替えたことだ。
この手法は今後の日本でも流行りそうだ、、、、、

行動のスコアリングにより接客が稼げる仕事に
行動がAIにスコアリングされる社会では買う側だけでなく、売る側もスコアリングされる。実際に中国では接客がスコアリングされ給料に影響を与えているとのことだ。
ふと思ったのはそんな社会が一般化していけばこの伝統大国日本の接客は世界的にもハイレベルで、世界で活躍する接客人材が増えていくのではないか、、、