見出し画像

Bachata en Fukuoka【いいじゃん、ラテン音楽_2分間音楽評論 no.2】

この十年、ずっと疑問だったこと。それは、Bachata en Fukuoka(福岡でバチャータ)のMVは、福岡で撮影されたのか?というもの。

そして出演している女性は福岡の方なのか?というもの。

今から十年前、中米、グアテマラかホンジュラスあたりを一人でウロウロしていたとき、バスの中で流れるラジオから突然「こんにちは、おはようございます」と聴こえてきた。なんじゃこりゃ、とびっくりして注意深く聴いてみると、どうやらJuan Luis Guerraという歌手によるBachata en Fukuokaという曲だそうだ。Juan Luis Guerraはドミニカ共和国出身、ラテングラミーでも常連、中南米では知らぬ者なしの超売れっ子シンガーである。

そしてバチャータというのは、中南米で親しまれる音楽のジャンル。ゆったりしたリズムで、男女が向き合って踊る。パーティーでは定番だ。

僅かに哀愁漂う穏やかなメロディと、軽やかにポコポコ鳴るパーカッション、そしてJuanの優しく、なんとも言えない柔らかい歌声。バスの外は密林、そして雨だったが、ほっこり、優しい気持ちになった。

日本に帰国してからも、定期的にこの曲が聴きたくなり、Youtubeで公式ビデオを見るのだが、そのたびに「この撮影地はどこで、この女性(歳を重ねた方と、若い方)は誰なのか?」と疑問に思った。いや、たぶん撮影地は米国あたりのどこかだろうとは思うが、本当に、福岡ロケはなかったのだろうか?

私は何度かちゃんと調べてみようと思ったが、結局調べることなく、今に至っている。

調べなかった理由は、ネットの情報が100%信用に足るもので無いから、ではない。このMVが海外で撮影されたものなら、どことなく日本に寄せていて凄い、となるし、仮にワンシーンでも日本で撮影されたものなら、上手いこと当てはめてて凄い、ということになる。つまり、どっちでもいいのだ。

必要なのは、たまにこの曲を聴いて、十年前の貧乏旅行の思い出を振り返りつつ、Bachataのリズムを思い出して、異国情緒に浸ること。それだけだと、今は思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?