見出し画像

オンラインズンバをはじめてわかったこと

コロナ渦を機にはじめたことをいくつかリストアップしたけれど、その中で私の生活の一番多くの時間を費やしたのがオンラインズンバだ。ズンバ自体は60分のレッスンだけど、Zoomについて学んだり、オンライン用に振り付けを作りなおしたり、毎回着る衣装をえらんだり時には自分でリフォームしたり、新規参加者へのご案内、毎週のお知らせ、宣伝、フォローアップ、お便りいただいたら1つ1つすぐに丁寧に返事、新しい曲の練習、録画を見てそこからスクショを撮り次のクラスのお知らせを作り、それをまた投稿、などなど1日いくら時間があってもやることが多くて間に合わない。


オンラインズンバをはじめたきっかけは、自分の生徒さんが運動不足になってはいけない、ズンバをやらなくなって心身のバランスを崩してはいけない、という気持ちから。でもやってみて、自分の運動にもなるし、実際には会えない大切な人たちとオンラインで会えるのがどれだけ励みになったことか。ひっきりなしにお問い合わせやお礼のメールをいただいてどんなに嬉しかったことか。


最初に参加してくれたのは生徒さんや、今までズンバやりたかったけど仕事でできなかった友達や、ドイツでいっしょにズンバやってたけど、日本に帰国してしまった友達や知り合い。そして彼女達が本当に気に入ってくれて友達を誘ってくれてどんどん輪が広がっていった。SNSやオンラインサロンを通して知って、会ったこともないのに遊びに来てくれた方もいる。もともとズンバ好き、運動好き、という方だけでなく、というかむしろズンバが何か知らなかった、運動全く普段していない、ダンスとかラテンとか興味ないし自分がやるとは思ってもいなかったという方までもが、運動不足や鬱々とした気持ちを解消するために試しに来てくれたのは大きな驚きだった。


最初のころは張り切って、毎回毎回奇抜な格好をした。年に数回仮装ズンバをするので衣装は山ほどある。それをとっかえひっかえ、リアルなスタジオでのクラスではとても恥ずかしくてできない格好もオンラインならできる。何個か持っているカツラもフル活動。画面をつけるやいなや飛び込んでくる私の変な格好に参加者大うけ。いっしょに参加してくれている小さなお嬢さんが「うわ、すごい!ピンクの髪の毛だ!」などといって大笑いしてくれているのを見て、コロナで家に閉じ込められて辛いこともあるだろうけど、この1時間はみんなに大笑いして大汗をかいてもらう時間にしよう!そのためにできることはなんでもしよう!と誓ったものだ。


そしてオンラインズンバをはじめてわかったこと。たとえオンラインでも人との触れ合いがあって、おまけに体を動かしてすっきりして、コロナで大変なのはみな同じ状況下であっても心の持ちようで幸福感が全然違うということ。この世には、たとえ平常時でも、事情があって外に出られない人もいるということ。何かはじめてみたくても、誰もがジムやサークルに入って活動したいというわけでもないということ。


とにかく、一人でも多くの方に届けたい。まだ会っていない方と出会いたい。やるだけやってみてもらいたい。体や心にいいと思ったら続けていただきたい。何で自分がこんなにも必死に、まだ出会っていない、本当にオンラインズンバでお役に立てる人を探し続けているのだろう・・・と深く考えてみたら答えが見えてきた。ちょうど13年前、ドイツに来たころの自分の姿を思い出した。第二子を出産した直後にドイツに越してきた。第二子には障害がありその上大きな病気を発症したばかりだった。ドイツには知り合いはただの一人もおらず、ドイツ語も全くできない、外に出るのは上の子の幼稚園の送り迎えだけ。人と会いたくなくて親子3人で家に閉じこもっていた。大好きだったサルサも遠い遠い昔の夢の出来事。Youtubeを見ては、本当はまたこんな風に踊りたいのにと涙を流しながら夜中まで眠れなかった日々。朝起きると、なんで目が覚めたのか、このまま人生終ってくれたらよかったのにと悔し泣きをする日々。あのころの私に、今の私みたいな人がこんなふうにいってくれたらよかったのに。

「とにかくなんかしてみようよ。動いてみない?ラテンの曲を聴いてるだけで心が明るくなるよ。その上体重も減って、スタイルもよくなって、今より健康になるよ。1時間ずっと笑ってるんだよ。小さな問題はズンバが終るころにはどっかに飛んでいっちゃうんだよ。ほんとだよ。私がそうだったんだから!死のうとまで思ってたのに、なんと今はズンバの先生だよ。」


私の生徒になってくれる可能性のある人は、自分のところに通える半径20キロ内くらいの100人くらいの方だと思っていたのが、世界中に何万人もいるかもしれないと感じたときの衝撃。救うなんていう言葉はおこがましいけど、昔の私みたいな人が変わるきっかけになれるかもしれない。


自分を不幸にしているのは現実だけではない。それをとらえる心なんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?