黛灰の卒業間際に思う事を
にじさんじに所属しているVtuber、黛灰(まゆずみ かい)があと数日で卒業を迎えます。
一見すると細身のインドア派、知的で物静かなたたずまいに、ホワイトハッカーという名乗りに違わぬインターネット文化への造詣の深さと豊富な知識の持ち主。
にじさんじの運営会社、ANYCOLOR社が掲げているミッション「魔法のような、新体験を。」の一文にある
もっと自由で、もっと多彩で、もっとディープなコンテンツを送り出し、魔法のような新体験を世界に届ける。
その自由さと、多彩さと、ディープさを、最も体現したライバーの一人こそが、黛灰というVtuberではなかったか?と今でも思います。
にじさんじが大躍進を迎えた2019年にはトータルで43名ものライバーがデビューしていますが、彼と類似するスタイルのVtuberは箱の内外を問わず彼のデビュー以前にも以後にもほとんど見かけない所からも、彼の特殊性は際立っているように感じます。
多彩さを目指す箱に生まれた、唯一無二の特殊な個性を持ったVtuber黛灰。
その卒業理由が、ANYCOLOR社は悪いわけではないとしながらも「協議の結果、落としどころが見つけられなくて」という言葉で説明されたことを、視聴者側はどう受け止めるべきだったのでしょう。
この3年間で、ANYCOLOR社の掲げる「多彩さ」と、黛灰の心に生まれた「落としどころが見つからなかったこと」の間には、いったいどんな溝が生じたのか?
おそらく視聴者側にその答えが明らかになることは無いのでしょうが、結果として卒業という結論が出てしまったことについては、一視聴者として悲しさを感じると共に、やや複雑な思いがします。
そんな彼の今回の卒業に際しては、いろんなWebメディア等がまとめた記事や、たくさんの方が書いたnoteなどで、この1カ月ぐらいの間に彼の足跡を振り返る機会が何度となくありました。
非公式wikiやリスナーから募集した資料を元に、にじFes等でも配信されたライバー調査枠、「誰も来ない」をエンターテイメントにした伝説の一人語り10万人記念配信0人凸待ち、自身が賞金100万を準備して主催したにじさんじじゃんけん王、25万で買った幻の3大奇ゲーガラージュ配信、”ふういん”されて一度もゆびをふれなかったポケモン剣盾ゆびをふる大会、今となってはある種貴重な大喜利企画クソリプかるた、新宿アルタ前とVtuber界隈を大きく騒がせた街頭ビジョンジャック、企画・副音声で参加したにじさんじクイズ王決定戦や公式番組で解説役になり、イベントにも出演したにじクイ、副主催をつとめたにじさんじ打鍵王、操られまくったぽんぽこ24Vol.6、朗読劇やTRPGへの参加、いろんなドラマがあったMinecrft、Among UsやAPEX Legendsなどの配信や大会への参加、などなど。
彼の3年間の配信には色々な思い出があったなと、改めて思います。
そんな色々なことを思い出す中で、一つだけなのですが、ちょっと気になることも思い出しました。
それは、2020年10月末ににじさんじを卒業した出雲霞と黛灰が、
果たし状が、差出人不明になる前に。
という概要欄の記述と共に、卒業直前の同年10月に行った最後のアソビ大全対決「【アソビ大全】「今度は対戦ゲームで黛をボコボコにしたいですね」 ➡ 一年後【黛 灰 / にじさんじ】」の中で交わされた、とある会話についてのことなのですが。
最後の勝負が終わって。(動画では2:06:40頃から)
「やっぱり霞には敵わないなぁ」「本当にいつも先に行かれる」
「先を行く者だな、やっぱり」
と勝負の感想をやや意味深げに語る黛灰に対して、出雲霞が、
「黛灰になんかまだ若干自分でもどうやって言うか、あんま纏まってないけどなんかちょっと物申したいと思ってね」
というところから始まった、黛灰に「先に卒業する先輩からの贈る言葉」として語り掛けるフレーズの中に、
黛灰くんもね、色々今後あると思いますが、まあ、なんすかね。
黛灰自身と、黛灰を好きでいてくれてね、守ってくれている方々が。
まあ、なんだろうな、後悔しないように、黛灰をまっとうしていただければなと思います。
というフレーズがありました。
(その部分のみを見たい方の為に「ぶいちゅば鑑賞室」様の切り抜きURLを貼っておきます。(https://www.youtube.com/watch?v=dr0QTs4nS5I)
今、その出雲霞のフレーズを思い返してみて、改めて思うのですが。
今回の卒業を迎えるにあたって、黛灰自身は果たして「後悔しないように、黛灰をまっとう」出来たのでしょうか?
その答えを、可能であれば残り僅かとなった彼の配信のどこかで聞くことができたらと、そして出来れば、その時の答えが「悔いはない」という回答だといいなと、そう今は思っています。
明日の配信は、黛灰の60万人記念生前葬、そして明後日は卒業の日です。
果たして彼は私達にどんな言葉を、思い出を残してくれるでしょうか。
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