3月末で消える彼女の足跡を思う ~潤羽るしあYouTubeチャンネル、アーカイブ削除前の週末に~

最初からぶっちゃけてしまうと私は、彼女が画面の中で視聴者のコメントとふざけたり、まな板と茶化されて叫んだり、ゲーム配信で机をたたいたりする姿などの、ちょっとエキセントリックな彼女のムーブを楽しんでいた程度のライト視聴者層だったと思うのですが。

そんな私から見ても、彼女が時折見せる仲間たちと楽しそうに笑い合ったりする姿は、画面のこちら側も楽しくさせるような朗らかさにあふれていたような気がします。


「当該タレントのYoutubeチャンネル及びメンバーシップは3月末を目途にクローズとさせていただきます。」


『潤羽るしあ』


これまで1億5千万回以上も人の目に触れた彼女の2年7カ月の足跡の大半が、電子の森の中に埋もれて消えてしまうまで、あと何日もありません。

なので私は今週末の空いた時間は、彼女の足跡を辿る時間に使おうかなと思って、今いろんな過去配信のアーカイブを見ています。



画面の中で前と同じように笑ったり怒ったりと、忙しく喜怒哀楽の変わる彼女を見ながら思うことは、以前の視聴時とはさすがに同じではなくて、本当に「懐かしい」以外のいろんなことも考えてしまうのですが。

それでも、彼女を作り上げた人たち同士が、事情の詳細はどうあれ、たぶんもう二度と手を結ぶことがなくて、彼女自身にも2年8カ月目はもう訪れない事を思うと、何となく今のうちに次のアーカイブを見なきゃいけない気分にさせられているのは、自分でも不思議だなと思います。

彼女のチャンネルに残る最後の配信アーカイブは「ARK」。
言ってしまえばただのゲーム配信が今日時点でもう202万回も再生されているのは、私と同じような人がたくさんいるから、なのでしょうか。



Vtuberを広く浅く追っていると、いわゆる「転職」や「退職」を、『卒業』という表現で言葉を少し飾った、まるで現実の友人にある日唐突に連絡がつかなくなるような衝撃が、割と頻繁に襲ってきます。

私にとって彼女はそんな頻繁に来る衝撃の一つだと思っていましたし、私自身もその手の衝撃にはもうだいぶ打たれ強くなっていると思っていました。


また彼女の場合、彼女を作り上げた人たちのトラブルの影響で、彼女は「居なくなること」の言葉を飾ることすらできませんでしたが。

その経緯については終始、画面のこちら側の私たちは、同じく画面のこちら側の人間を中心としたトラブルを面白がる趣味の悪い人たちの巻き起こした嵐に振り回されたまま別れを迎えた感が強く、その騒動の全体への嫌悪感から、私は今一つ彼女の別れ際に好意を持つことが出来ずにいた部分がありました。


しかし今、こうして彼女の足跡を振り返っていると、やはり何か時折寂しいものがよぎります。それはこれまでに何度も受けた衝撃とは、何かちょっと感じ方が違うものです。

その寂しさが『卒業』という表現で言葉を少し飾ることすら「彼女」には許されなかった悲しさから来るのか、個人だったり企業だったり仲間だったりする、彼女を作り上げた人たちが次々と別の道を歩みはじめ、「彼女」の名前が嵐の余韻でしか語られなくなったことから来るのか、詳しくはよくわかりませんが。

画面の中の「彼女」はそんな私の心情など気にもせず、画面の中でいつものように笑っています。

そしてその様子を眺めているのは、楽しいでも悲しいでもなくて……、上手く言語化できこそしませんが、そんなに悪い気分だけでもないような気がします。


なので、もしあなたもお暇でとりたてて見たい配信がない、とかでしたら、ちょっとだけ彼女の足跡を私のように眺めてみるのはいかがでしょうか。

そしてその時感じたことを、上手く言語化できる方などいらっしゃいましたら、ぜひ私にもお聞かせいただけると嬉しいです。


<Rushia Ch. 潤羽るしあ>
https://www.youtube.com/channel/UCl_gCybOJRIgOXw6Qb4qJzQ

<ホロライブプロダクション公式ツイートより>
https://twitter.com/hololivetv/status/1507266031437463558?s=20&t=8r_8Qj-mEagfVChSYVd1_w

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