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2.2万人のぼっちが見つめた、西園チグサのぼっちクリスマスイブ

 面白かったです。これこそまさに企画の勝利だろうと思います。

(ちなみにこの記事は多少のネタバレを含みます、ご注意ください。)

12/24配信、【検証】クリスマスイブに招集かけたら同期は何人集まるか?【にじさんじ/西園チグサ】は2020年8月ににじさんじからデビューした「世怜音女学院」の5人組にとって、デビュー配信以来となる同時接続者数20,000人超えを記録した、記念すべき配信となりました。

 舞台設定は「クリスマスイブ当日のお昼にいきなり同期に召集を呼びかけたら集まるのかどうか検証する」というもので、当然配信開始からメンバーが集まっているわけもなく、配信序盤はひたすら、企画者西園チグサの一人語りで配信が進行していくのですけれど。

この時の西園チグサ雰囲気づくり一人語りとにかく秀逸でした。


 この日、スタジオを借りたと言っている西園チグサの立ち絵の前には、全員集まっても5人しか来ないはずなのに、何故か10人がけのテーブルとイス。テーブルの上にはケーキと、Mサイズを頼んだと言っているはずなのになぜか西園チグサよりも大きいピザ。

そして西園チグサ一人にだけあたるスポットライト

タイトルなし

まあ、どれを見ても、以前10万人記念凸待ち配信でにじさんじ所属、黛灰がやった企画「凸待ちしたけど来訪者0人」と、それの元ネタであるところのアニメ「巨人の星」の主人公星飛雄馬が行った「誰も来なかったクリスマスパーティー」がモチーフであることは、わかりやすいぐらいわかる舞台設定なのですが。

 その際、舞台の上で星飛雄馬は机上の料理をひっくり返して泣き、黛灰は誰も来ないことをひたすら淡々としたペースで他人事のように評論し続ける、という反応でそれぞれの物語を進行した中。

西園チグサはある意味そのどちらでもなく、また、ある意味どちらでもある手法で一人語りを行います。


 時に泣き、かと思うと「ひょっとしたら、まだ〇〇かもしれないもんね?」と急に話題を方向転換して客観的な視点から自分を慰めようとする。

その唐突な一人語り自体のトーンの切替と、「世怜音女学院」残り4人の招待客に交互にスポットライトを当てることによる目まぐるしい話題の転換によって、西園チグサはなんと1時間、一人語りを続けます

そしてその一人語りの間、同時接続者数は絶え間なく増え続け、ついには自身も初配信以来となる2.2万人が、西園チグサの一人語りを聞きに集まります。

このネタっぽい企画ばかりがVtuber界隈の配信に並ぶ、いわば激戦区のクリスマスイブにです。

 そして、おそらく視聴者の誰もが、序盤は「そんなこと言っても実際誰も来ないなんてことはないよな」と思いながら、彼女のややオーバーなリアクションによる嘆きを見ていたと思うのですが、ずっと手を変え品を変えする彼女のリアクションを見せられているうちに、だんだん「本当に誰も来ないんじゃないか?」という風に思わせられたのは、実に巧妙、実に不思議でした。



 そして結果なのですが。

アーカイブの長さを見てしまえばある程度、推察が付いちゃうのでもうここで少し答えを書いちゃいますが、最終的に彼女の待つスタジオに来る人はいます

 そしてこの配信は、誰か一人来て以降、同時接続者数がぐんぐん下がり続け、最終的には6,000人ぐらいになるのですが、それはおそらくこの企画構成上、西園チグサ自身も予測が出来ていた事でしょう。

そして、この配信の後半部分「集まった同期とのパーティー」という前半とは全く異なる企画が同時接続者数6,000人を維持したことも、数字的にはここ数ヶ月の「世怜音女学院」関連の配信の中ではかなりの快挙だったりします。



 その配信における後半部分の、訪れた参加メンバーと西園チグサの楽しいパーティーの光景については、ネタバレが増えるのであえて多くは語りません。

ただ、前半の「同期の訪問を待つ」企画とは全く別の、「世怜音女学院」それぞれの個性がよく表れた面白いオフコラボ配信企画として、後半は後半で見事に成立していたと思うので、前半だけ見て配信を見なくなった方には是非アーカイブを確認していただきたいところです。

 全体的に見ても舞台設定が素晴らしい企画でしたし、前後半の各ブロックごとで見ても、前半で西園チグサの底力を、後半で「世怜音女学院」それぞれの個性を堪能できる、素敵なクリスマスイブの配信だったと思います。



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