見出し画像

#6 消える絵本

盛況な絵本市場

 紙離れ・本離れが言われて久しいですが、その中でも絵本市場だけは盛況なようです。1年間に新しく出版される絵本は、約1500冊前後だと聞きました。特に12月はXmasや年末もあって絵本の売上が上がるそうです。
 絵本が好まれる理由は考えられます。絵本を紹介する団体、サイトなどが増えたこともその一つですし、本に比べて読みやすく、手に取りやすさもあります。そのおかげか、子どもだけでなく、大人向けの絵本も増えた気がします。

いつも日の当たるところで

  次々とたくさんの新しい絵本が出版されることは喜ばしいですね。その一方で残念に思うこともあります。
  発売されて間もないころは、いたるところで紹介される絵本も、日が経つにつれて、どんどん影がうすれていきます。
  そして、また次の新しい絵本が発売されると、押し出されるように本屋さんの棚から消え、図書館では書庫に場所を変えていきます。著名な作家さんの絵本や、シリーズとして定着した絵本は定期的に取り上げられて、安定した場所が確保されています。一方秀逸だけどネームバリューがなかったり、目立たない絵本は、取り上げられる機会も少なくなり、人の手から遠い場所に移っていく、最後は幻の絵本になっていきます。
 絵本が少しづつ少しづつ、時間をかけて海底の底に沈み、忘れ去られていくイメージといったらいいんでしょうか。私にはそれがとてももったいないと感じてます。
 年代に関係なく、素敵な絵本はいつ読んでも素敵で新しく、何かを読み手にもたらしてくれます。だからこそ、必要な時に出会えるところにあって、必要な人がいつでも読めるようであってほしい、何かを伝えようとする絵本は、手に届く場所にあって、日が当たってほしいと思います。


すこしでも工夫して。

 お店のブログで絵本を紹介していますが、その記事も日が経つごとに下に下にと落ちて、過去の情報になります。紹介しても、また過去に押しやられることが残念でした。
 そこで、お店ではいつでも最短でピタッとくる絵本を探せるように、ブログの記事をファイルに入れておきました。


ブログでおススメした絵本のファイルです
手作り感満載ですが・・・。

 絵本のメニュー表のようなものです。
 お店に来られた方にも、ブログを見られていない方にも、また、過去に紹介した絵本を振り返りたい方に、ファイルをめくることで、気になる絵本を手に取れるようにしています。

開くとこんな感じで、ブログ記事をプリントアウトしてファイルしてます

  

絵本を紹介しあう

 先ほどはお店の話ですが、個人としてできるもあります。一番いい方法は、お気に入りの絵本や、子どもの頃好きだった絵本を、色々な場でお互い紹介しあうことかなと思います。
  私もメディアや雑誌、サイトなどで紹介された絵本を参考にして読むことが多いです。新しい絵本でも、昔の古びた絵本でも、自分では出会えなかった絵本や、私では検索できなかった絵本などの出会いがあって、はっとさせられることが多いですね。
  素敵な絵本が、年月を経ても、人の目につくところ、手に取れるところにあって、いつでも読んでもらえることを願っているし、私自身も魅力的な絵本が忘れ去られないようにしてきたいと思っています。
  
 

お店の本棚にファイルを置いています




よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、絵本の購入費、読書普及の活動費に使わせて頂きます。絵本はは毎月10~20冊の購入を目標にしていますが、なかなか達成できない状況です。忘れられない絵本との出会いの場をこれからもつくりたいと考えています。