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マニラで外国人にパンを押し付けてやった

フィリピンからの帰り道マニラの空港で乗り継ぎの時間があったためお昼ご飯を買おうと思いパン屋に並んでいた。前には小さい子供を連れた肌を隠してるイスラム系?の女性が並んでて、その人が子供にパンを買おうとしていた。子供は「このパンが良い!」みたいな感じで一つのパンを指差していた。しかし全然会計が終わらない。チラッと意識を向けてみると、どうやらお金が足りないようだ。しかもその女性は英語が喋れないらしく、店員が「not enough」と繰り返していたが、理解できてないようだった。女性の表情は目元しか見えていなかったが困惑しているのは明らかだった。子供も母親の事を見上げながらなんだか悲しそうな表情をしていた。結局2人はパンを買う事が出来ずにその場を後にした。そして僕の順番が回ってきた。正直僕は迷っていた。でも気がつくと僕はその子供が欲しがっていたパンを買っていた。僕は女性を走って追いかけ「プレゼントです」と言ってパンを押し付けた。多分トトロに出てくるカンタが傘を押し付けるあのシーンにそっくりだったと思う。女性からしてみたら「なんでコイツがパン渡してくんねん。」って思ったと思う。それでも僕は満足した。そう僕は女性と子どもの為にパンを買ったのではなく、自分のためにパンを買ったからだ。ここでパンを買わなかったら多分一生"パンを渡す勇気のなかった自分"が付き纏ってきてたと思う。

漫画のような話だが中学3年の夏。友達が駐輪場で先輩集団にボコボコにされてた時、僕は助けに行けなかった。逃げたんだ。そして、その時の"助けに行けなかった僕"が未だに僕に付き纏っている。もうこれ以上付き纏われるのはごめんなんだ。

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