(1-2)経営戦略を分けて考える

経営戦略を考えようと思っても、経営という色々な要素がある内容に対し、どこから手を付けてよいのかわかりません。まずはどのような切り口で戦略を考えていったらよいのかについて説明します。


内容で分ける

経営戦略を内容で分けると大きく2つにわけることができます。
それは「成長戦略(会社をいかに成長させるか)」と「競争戦略(他社にどう勝つか)」です。
 もう少し、詳しく説明します。
 成長戦略はどの事業で会社を成長させるかを決めて、長期的な視野で成長を目指す戦略のことです。具体的には製品やサービスのラインナップを増やしたり、市場(売り先)を広げる策を考えます。また需要がなくなってきて、儲けることができなくなった事業は撤退し、新たに成長できる事業に転換することなども考えます。
 競争戦略は自社を選んでもらえるようなアピールポイントを作り維持する戦略のことです。具体的には製品のローコスト化や高性能化、アフターサービス、ブランド構築などで差別化を考えます。

組織階層で分ける

企業を構成するのは要素で分けて考えます。
組織階層で経営戦略を考えるときには①企業全体を見る。②企業を構成する事業を見る。③事業内にはある部署を見る。の3段階で考えます。

①企業全体を見る(企業戦略)

企業の経営者や経営戦略部門が企業全体について、最も高い視点で考えて、どの事業に力を入れるか、縮小するかについて戦略を考えます。

②事業を見る(事業戦略)

事業を行っていると競合他社がいます。主にこの競合他社に対して、どうやって戦っていくのかを考えることになります。

③部署を見る(機能別戦略)

事業部の下には様々な機能を持つ部署があります。例えば、開発、製造、販売、物流などが挙げられます。これら機能に対し強化するよう考えます。

経営戦略では会社全体として一貫性が重要となるため、①→②→③の順で考えていき、経営層と現場が統一意識を持つようにします。

経営戦略の「内容」と「組織階層」の関係

 企業戦略を考えるときには、「成長戦略」が最も関心が寄せられます。これはどのような事業を成長させたいかという観点が強いからです。その場合、当然事業を見るよりも、高い視点からの判断が必要になるからです。
 一方で事業戦略では競合他社に対して、より優位になることを考える「競争戦略」が最も関心が強くなります。企業戦略で決められた事業領域の中でいかに競争に勝つかが重要となるからです。

まとめ

・経営戦略は「成長戦略」と「競争戦略」に分けることができる
・経営戦略の別の分け方として、組織階層でも分けられる
 (企業戦略/事業戦略/機能別戦略)
・「企業戦略」は主に「成長戦略」を考える
・「事業戦略」は主に「競争戦略」を考える

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