現代詩 叫び

君が旗であるならば
明日は鱶の残酷な優しさを持て
風に殴られゆっくりとふるえる
ためにだけ
君が雲であるならば
明日は猫の狡さを所有せよ
駆けてくる馬を淋しく
させるためにだけ
君が麦の穂であるならば
太陽におやすみを言いたまえ
日々に増す水の重さで
息切れがしそうだと
俺達はもうおしまいだと
一回限り叫んで
けれども
君が一回限りの
「叫び」
そのものだとしたら
何と叫べばよいのか
君は答を用意しているか?
 
 
 
 
 
 
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?