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小6に立憲主義を教えてみた。~バックグラウンド編~

(前回の続きです、まだお読みでない方はこちらからどうぞ✋)

実践編書きすぎて、無料で公開できるギリギリまで書いてました😅
ということで、こちらではなぜ小6で立憲主義を扱ったのかについて簡単に触れようと思います。

以前noteで書いたように私は「たとえ小学生であっても社会を読み解くフレームワークを持つべきである、そのために社会科がある」という立場に立っています。
小学校社会科では「立憲主義」という発想はほとんど触れられていないのが現状です。
しかし、憲法を本質的に理解するには立憲主義は欠かせない概念です。
そこで今回チャレンジングだとは思いましたが、この実践をやってみたわけです。
実は、昨年度も似た実践を小6でしていたので、それをブラッシュアップした形で取り組みました。

加えて佐藤章浩先生の「立憲主義に基づく小学校中学年の社会科授業開発」という論文にもインスピレーションを受けています。
こちらでは小3での警察についての学習で「私たちの生活を守るお巡りさん」という警察像のみならず、「法の執行者としての警察官」という警察像も扱った実践が紹介されています。
詳しくはぜひご一読いただきたいですが(笑)、「小3でも立憲主義って扱えるんだ!」と衝撃を受けたことが今回の実践にも繋がっています。
その意味で論文というのは学術研究のみならず、授業実践者の後ろ盾にもなるんだと感じます。

2020年より以前は小6最初の社会科は歴史から始まるのが当たり前で、憲法や政治の学習はだいたい冬に実施されていました。(私の小学校時代もそうでした)
しかし現行の学習指導要領では憲法学習から小6社会科を始める構造へと変わりました。
いろいろ理由はあるそうですが、その1つに主権者教育の充実というのがあるようです。
主権者教育の観点から見ても今回の実践は意義あるものだと私は考えています。
これからも子どもたちと対話しながら授業改善できればと思っています。

当然、批判される箇所も多い実践だと思っています。
ぜひご意見・ご感想・ご批判いただけますと嬉しいです!

【参考文献】
佐藤章浩(2017)「立憲主義に基づく小学校中学年の社会科授業開発―単元『交番の警察官の仕事』の実践を事例に―」『社会系教科教育学研究』29、pp.21-30
楾大樹(2016)『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』かもがわ出版
※子ども向けに書かれた憲法についての本。非常に分かりやすいメタファーを使って描かれていてオススメです。この本をメインにした授業も作ってみたい…(笑)
角田将士(2013)「小学校教員養成における社会科授業構成能力の育成―教師のゲートキーピング論を手がかりに―」『立命館産業社会論集』48(4)、pp.147-158
※佐藤先生の実践を知ったのはこの論文に出てきたからです。小学校の先生方が社会科における授業改善や授業開発についてヒントをもらえる論文だと思います。


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