御言葉の黙想 マルコによる福音書13章14節 2024年7月26日
本文:
「荒廃をもたらす憎むべきものが、立ってはならない所に立つのを見たら――読者は悟れ――、その時、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。
黙想:
弟子たちは立派な神殿を見て感激していた(13,1)。しかし、イエス様はおっしゃった。「石の上に石ひとつ残らず破壊される」。
その日が来れば、戦争、地震、飢饉、偽預言者、迫害が起きる(13,6-8)。
そして、信者は裁判所に連れていかれる。すべて宣教の業のためである(13,9-11)。しかし、恐れる必要はない。聖霊が共にいてくださる(13,11)。そして、最後まで耐え忍ぶ者は救われる(13,13)。
この御言葉は歴史において、すでに一度、実現した。そして、今後も実現するだろう。
教父エウセビオスによると、紀元後66年に始まるユダヤ戦争の際、エルサレム教会はエルサレムを離れ、現在のヨルダンにあるペラという町に避難する。
イエス様の「ユダヤにいる人々は山に逃げなさい」という御言葉にしたがったのだろうか。エウセビオスによると、戦争の前に教会にあった神的な啓示によって、教会はペラに避難したとのことである。そして、エルサレム教会は災いを逃れた(エウセビオス教会史3,5)。
この災いは、長引けば誰一人助からないほどの壮絶なものであるという。しかし、慈悲深き主は、ご自分の民のためにその期間を縮めてくださる。
ところで、「荒廃をもたらす憎むべきもの」とは何か。ダニエル書によく表れている表現であるが(ダニエル書9,27.11,31.12,11)、おそらく偶像のことであり、立ってはならない所は聖所であると思われる。
では、聖所がすでに破壊された今、それは何を意味しているのだろうか。
気を付けて、目を覚まして(13,33)、推移を見守っていきたい。
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