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死生観について はじめに

今年の春、長年お世話になった先輩が突然亡くなってしまった。もう30年ほどの付き合いだったが、親分肌の人で公私共に大変お世話になっていた。70代前半だったが今時だとまだ若いと言われるだろう。死因はくも膜下出血が疑われたとのことだった。全く予期せぬ出来事でしばらく実感が湧かず、飲み会などでまたひょっこり出会えるのではと言う感じがしていた。しかし時間が経ちそれは叶わないのだなと腹の底から理解されてきて、ひしひしと寂しさを感じる。

死について突き詰めて考えると周囲の親しい人といつか永遠に別れる時が来るということに寂しさや不安を感じはじめ、さらには自分の死が避けられないことが実感され恐怖や底知れない虚無のようなものに飲まれそうになる。死に対して実感を持って向き合うことは辛さや恐怖があり、普段はそれを考えないようにしている。多くの人がそうなのではないだろうか。宗教などは死の恐怖をなんとかしようとして生まれてきた面もあるように思う。

自分は医者で進行がんの患者さんを診ることが多く、たくさんの人を看取ってきた。多くの死に接してきて、普通の人よりは死について考えることが多いと思う。今回親しい人を失ったこともあり、今の自分の死生観について少しまとめて書き記したいと思う。
どのような死生観を持つのかを考える事は重要な事だろう。医療においても人生においてもだ。どう看取るのか、どう死ぬのか、またそれは今をどう生きるのかに繋がるだろう。



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