見出し画像

それでも出会い系サイトはやめられない 第3話


目が覚めた。
 
朝になっていた。
 
ベッドの隣を見ると、みひろがいない。
 
 
「もう起きたのかな?」
 
部屋を見渡したが、みひろの姿はなかった。
 
 
 
「みひろちゃん。」
 
みひろの名前を呼んでみた。
 
返事がない。
 
洗面所とバスルームを覗いたが、みひろはいなかった。
 
 
「トイレかな?」
 
トイレをノックしてみた。
 
反応はない。
 
 
「まさか!帰ったのか?」
 
 
部屋の入り口を見ると、みひろの靴がない。
 
 
僕が寝ている間に帰ったらしい。
 
 
「結局今回はお預けか?何もできなかった。」
 
僕は、釣りかけた大きな魚を逃がしてしまったような、残念な気持ちでいっぱいだった。
 
 
テーブルの上に置いてあった僕のバッグを見ると、ファスナーが空いていた。
 
「おや?」
 
と思い、バッグの中から財布を取り出した。
 
 
現金がない。
 
 
 
「しまった!盗まれた。」
 
財布の中には1万円札が7枚ほど入っていたはずだ。
 
1万円札どころか、千円札も一枚も残っていなかった。
 
かろうじて、小銭とカードは無事だったので、カードでホテルの支払いを済ませた。
 
 
「みひろちゃん。ひどい女だ。」
 
僕の心に怒りが込み上げてきた。
 
警察に届けようとも思ったが、みひろへの未練も少し残っていた。
 
 
みひろちゃんとすぐ連絡取りたいと思ったが、携帯番号もLINEも交換していない。
 
連絡の取りようがない。
 
 
「今日の夕方、サザンウィンドに行って、みひろちゃんと会おう。」
 
 
僕はホテルを出て、そのまま車で会社に向かった。
 
夕方5時過ぎに仕事を終えると、会社から直接サザンウィンドに向かった。
 
 
近くの駐車場に車を止め、店に入った。
 
「いらっしゃいませ。どの子か、ご指名はありますか?」
 
ボーイが聞いてきた。
 
 
「アリスちゃんをお願いします。」
 
 
ボーイは困った顔をした。
 
 
「アリスちゃんは、今日、お店を辞めました。」
 
「辞めたって、どこにいるのですか?」
 
「さあ、私どもにはわかりません。」
 
「アリスちゃんと連絡取りたいのですが・・・」
 
「お客様、そういうことはできません。ストーカー行為はお控えください。」
 
僕は諦めてサザンウィンドを出た。
 
「昨夜、みひろにいくら使っただろう?盗まれたお金を合わせると、15万円を軽く超えてる!。」
 
自分が情けなく思えた。
 
「出会い系にはひどい女がいるもんだ。」
 
そのまま家に帰ろうと思った。
 
すれ違う綺麗な女性たちを見ていると、ムラムラと下半身が興奮してきた。
 
無性に女性を抱きたいという欲情が湧いてきた。
 
「別の女の子を抱いて、みひろちゃんを忘れよう。」
 
 
 
愛サイトを開いた。
 
サイトの掲示板を開くと、気になる女性が募集していた。
 
名前 綾香 
年齢 27歳
星座 蟹座
職業 飲食業
趣味 ファッション・グルメ
 
自己PR
「今夜午後7時からお会いできる方、メールをお待ちしています。共に大人の時間を楽しみましょう。」
 
今の僕にぴったりの女性だ。さっそく、綾香という女性にメールを入れてみた。
 
「こんばんは!はじめまして。ひろしと言います。ぜひ、今夜一緒に大人の時間を楽しみましょう。午後8時からお会いしたいです。」
 
すると、すぐに返事が来た。
 
「メールありがとうございます。ぜひお会いしましょう。午後7時に騎射場公園の入り口まで来れますか?」
 
天文館から、騎射場公園までは車で15分だ。時計を見ると、午後6時30分を少し回っている。
 
すぐに綾香に返事した。
 
「7時より10分前には、騎射場公園に行けますよ。」
 
綾香から返事が来た。
 
「6時50分に騎射場公園の入り口で待ってます。黒のコートに黒のロングスカート着ています。車の色は何ですか?」
 
「車の色は白です。今から、騎射場公園に向かいます。」
 
 
僕は、天文館の駐車場から騎射場公園に向かった。
 
 
15分ほどで、公園に到着した。
 
騎射場公園の約束の場所に黒いコートに黒のロングスカートを着たマスク姿の女性が立っていた。
 
マスクで顔全体はわからないが目元がぱっちりした女性だ。
 
 
僕は綾香の前に車を止めた。
 
ドアを開けて、車から降りた。
 
「綾香さんですか?」
 
女性はだまってうなずいた。
 
「助手席にどうぞ。」
 
綾香は無言で助手席に座った。
 
 
「ひろしです。よろしくお願いします。」
 
綾香は、黙ってペコンとお辞儀した。
 
 
 
無口な女性なのだろうか?


僕は、騎射場公園から車で10分ほどの距離にあるホテルに向かった。
 
 
ホテルまでの車の中でも、綾香はずっと無言だった。
 
 
ホテルに着いた。
 
車から降りてロビーに向かった。
 
並んで歩くと、綾香はずいぶん背が高い。
 
170センチは軽く超えている。
 
かなり大柄な女性だ。
 
 
 
エレベーターから降り、部屋に入った。
 
ソファーに並んで座った。
 
綾香がマスクを外した。
 
 
顔のつくりは大きいが綺麗な顔立ちだ。
 
僕が綾香の手を握ると、綾香も握り返してきた。
 
 
女性にしては大きな手だった。
 
綾香は僕の肩にもたれてきた。
 
僕の頬に綾香の髪が触れた。
 
とてもいい香りがする。
 
僕はそっと綾香の肩に手を回した。
 
そのまま自然に唇が重なった。
 
お互いの舌先が絡み合う。
 
 
綾香の息が熱くなった。
 
綾香は、僕の手をそっとスカートの裾に導いた。
 
僕の手のひらが綾香の膝に触れた。
 
手のひらをスカートの中に入れた。
 
指先がパンティに触れた。
 
指先をパンティの中に入れようとした。
 
パンティのゴムが固く、指が入っていかない。
 
 
しかたなく、そのままパンティの上から撫でた。
 
パンティの布越しにヘアーのざらざらした感触が伝わってきた。
 
かなりの剛毛だ。
 
 
指先が棒状の突起物に触れた。
 
ひょっとして、タンポンかな?
 
綾香は生理中なのだろうか?
 
 
 
 
 

ここから先は

676字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?