外国につながる子どもたちのためのてっぱん絵本その3『おおきなかぶ』
こんにちは。小野則子です。外国ルーツの子どもたちのためのてっぱん絵本を紹介する試みも3冊目になります。今日の絵本はロシア民話『おおきなかぶ』(A.トルストイ再話、内田莉莎子訳、佐藤忠良画、福音館書店)です。日本語での生活経験の乏しい子どもたちが小学校に入学して、苦労するのが教科書の音読です。『おおきなかぶ』は、小学校一年生の教科書で多く採用されています。
この絵本、うんとこしょ、どっこいしょという響きを楽しみながらの音読が、小学校での学習の大きな目標にもなっているのですが、外国から来た子でひらがなにも難しさを感じている子にはなかなかの難題です。また、日本で育った子どもたちは保育園や幼稚園で読み聞かせをしてもらっていることも多いです。そこに大きな差がついてしまっています。楽しいはずのお話が苦行になってはいけません。
うんとこしょ、どっこいしょの響きを絵本で楽しみ、ひらがなを覚える前に慣れ親しんでいたら、教科書で読みましょうと言われた時のハードルも下がると思います。 そう思って、お話し会でこの本をベースにした劇仕立てのワークショップもやってきました。おすすめの一冊です。みんなが絵本を楽しめる世の中になりますように。ビッグブックもありますよ。