車に乗るcar

　

　ダジャレじゃない。

　今回の投稿は、べつに特定の君を指して「運転危ないからやめろ」なんて言いたいわけじゃない。ただ、おれは車が怖い。なんで車が怖いのか、車の運転がおれにとってどんな意味をもってるか、書いただけ。だから怒らないでね。

　おれは常々思っていることなんだけど、「車って危なくないか？」って言いたい。

　もちろん徹夜明けに書いてるし、議論をしたいわけでもないのでデータは挙げない。なぜならそこに、おれのソウルがあるから。この思いはたぶん伝わるね。

　オタクの間では免許取ることが健常者試験みたいになってたりするけど、免許取るのって実際超簡単だし更新も鼻ほじってたら終わるよね。

　俺が問題に思うのは「車を動かすことって超危険なのに、あまりにも簡単にできるし、みんな気軽すぎないか？」ということ。車を運転するという、簡単に人を殺せる行為が、あまりにも日常に溶け込んでしまっている。

　なんかその辺のおばちゃんが何も考えずに運転してるし、syamu_gameだって免許を持って車をブンブン振り回している。老人のプリウスロケットも話題になるけど、みんなガチで怖がったりしていない。

　いや、ヤバいだろ。

　しかもちょっと昔だったら煽りも今ほど問題になっていなかったわけで。飲酒すら緩かったとか。

　ヤバすぎないか？

　車なかったら不便だよ。不便だけど、車って超危ないやん。高速道路だって右側トロトロ走ってる車が話題に上がるくらいには存在するわけで。なんなら指示器出さないのは割とよくあるし、横断歩道もガンガン通り抜けていく。「無茶するやん……」みたいな経験が、免許取ってから運転しなくなるまでの短い期間で割とあった。

　「ルールは全部守れ！」とは言わないよ。誰も見てない深夜だったら赤信号を渡ったりするし、大学に入学したらすぐお酒飲むもんな。でも、車を運転することを脳死で行えるのは、ちょっと怖い状況じゃないかな、っておれは言いたい。

　「慣れ」と「脳死」って区別が付きにくいけど、おれは「前の車トロいねん左からでも大丈夫そうやから抜かしたろか」とか「指示器出さんでもええか」みたいなことを「脳死」で指してる。

　当たり前に車が運転できるから、そういう考えになってしまう。初心者だったらそんなこと考えもしない。一回一回の運転が、日常に溶けてしまうことがおれはとても怖い。

　車乗ってたら割と簡単に高速で気持ちよくなって左から抜かしたりスピード出したりするじゃん。

　死ぬやんそんなことしたら。

　みんな免許持ってて、みんな簡単に車に乗る。でも「車を運転する」って行為は気軽な日常の一動作に変わっていいとは、おれは思わない。

　この間免許の更新に行った。鼻ほじりながら動画見て手続きだけしたら簡単に終わった。でもおれが今車に乗ったら大惨事間違いなしってくらい、運転技術は落ちてると思う。

　それでも国は、おれが車を運転することを許すという。

　おれは賢い人間だから「車コワ～」つって運転しない。もし運転するとしても、最低限の交通ルールは頭に入れるし、めっちゃ集中すると思う。でもたぶん、わりと、みんな日常的に車に乗っている。気のゆるみとか余所見とか、そういうのが一切許されないようなやべえもんを操縦する。なのに運転は、気の緩みや余所見と結びついた、日常の出来事に変わってしまっている。日常の動作として、出勤やら買い物やらに行く。

　車を運転するのは、身体感覚を延長する超危ない非日常なのに。

　車を運転するなんて人間の生まれ持った機能に具わってないだろ、って思う。ドアを開けて踏み込んで、エンジンをかけた瞬間から一瞬たりとも気が抜けないんだ。慣れたら落ち着けるかもしれないけど、それは脳死との境目のように思う。

　ゆっくり交差点を右折する車でも、轢かれたら人体はむっちゃ転がる。膝とか肘とかめっちゃ痛いし、内臓ぐわんぐわんゆれて結構ビビる。何が起こったかわからないまま、突然衝撃だけが先に来る。交通ルールを守ってても、歩行者なんて車側の気の緩みで簡単に吹っ飛ぶ。

　実体験だ。

　ハンドルを握るってことは、つねに非日常の動作であってもいいんじゃないかっておれは思う。

　ささいなミスで人が吹き飛ぶ。車を運転することの意味、特別さが、いつのまにか日常に溶け込んでしまっている気がする。毎日使ったりしてたら、そうなるよな。でも、おれは、おれだけでも、あほと罵られても「車は危ない」って当たり前のことを喚き散らす。

　車ってあぶねえんだ。

　おれはとても、ハンドルを握れない。