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一方通行の公平さ

何気に手にとった本

休日の朝、ふと目についたビジネス書を引っ張り出してパラパラとめくってみた。
「半分まで読んであるけれど、それからしばらく日にちが経っているな〜。ちょっと続きを読んでみるか」

私の本棚には飛ばし飛ばし読んだ虫食い読み本、結構な量の積ん読本、そして今回のような途中まで読んだがいきなりプチっと読書が途絶えている本が多々ある。

(あなたは買った本、全部読まれるほうでしょうか?)

公平さってこういうことか

良書だからか、読んでいるうちにぐいぐい引き込まれてしまった。
そしてある言葉に目が留まった。
自分の言葉で言い換えてみると

公平さは一方通行では不公平になる
という言葉。

抽象的なのでいろいろな理解の仕方はあると思う。
私はこれを授業や人間関係などで使えるな、とちょっとした気づきをもらえた。

同じ授業をしてもある人には弱点強化で有意義な授業になったが、
ある人にとっては簡単すぎて時間の無駄に終わり、満足しなかった。

これは複数に教える時はなかなか避けられない事。
でも、今まではそれは仕方ないでしょう、位に思っていたが、不公平だと知った途端に改善しないとな、と学びになった。

だとすると相手を深く理解することが求められるし、信頼関係もそれぞれの生徒と作っていかなければならない。
その信頼関係も基本的な事を除くと人数分のアプローチ方法がある。

信頼関係は、相手との約束を守ることは当然だが、相手の求めることを与えてあげられることも信頼に繋がる。

ピアノのレッスンで、いくら基礎が大事だからとポップをやりたい生徒にクラシックを強要したら、レッスンがつまらなくなるどころか苦痛になってやめてしまうだろう。
ジャズをやりたい子にジャズのコードを教えたり、大曽根さんや上原さんのコンサートを紹介したり一緒に行ったりすることは、その子との信頼関係に深く貢献する。

全く同じ様に満足してもらう事は難しいとしても、不公平の差が少なくすることは出来そうだ。

日本語レッスンでも活用していこう

昨日、久しぶりに夏休みを終えた日本語教室の生徒さんとのオンライン授業があった。
そのビジネス書を読んだのが、授業後だったので反省になってしまうのだが、新たな課題が出来た。

今までも彼女が授業を楽しめるようにとJ-POPを一緒に歌ったり、クイズをしたりなどなどしてきたが、一方通行になっていなかっただろうか?
曲は一緒に選んだけれどあれで本当に良かっただろうか?
「やりはじめてやっぱりこれはキツイな、でも自分で選んだ手前やっぱり曲をチェンジしたいなんて言いにくい」と思っていたかもしれない。

そう彼女はとても礼儀正しい子で、出来なかったことを褒めたりすると必ず「サンキュー」と言う。
授業が楽しかった時などは、「今日の授業はすごく良かった!ありがとう!」と言ってくれる。
まあこれはハードな授業だった時は言わないのでとてもわかり易く私にとってはとても良いヒントだ。

そうなるとこちらとしてはもっと上達させてあげたい!とついつい必死になってしまう。
彼女が求めているものは、頭から湯気がモクモク出して答えるような大変なものではない。

彼女のためでなく、彼女が欲していることを探らなくてはならない。それが結局は彼女のためになっていく。もちろん、やりたい放題ではなくある程度の調節はこちらでしなければならないが。

母親と一度話をした時は、日本語能力テストで結果を残してやりたい、という事を言われたが、察するところ、彼女にそんなガツガツさは微塵もない。

昨日は久しぶりだったこともあり、かなりレベルを落としてレッスンをした。「たぶん結構忘れているだろうなー」とちょっとでも自信をなくさせないように
夏休み明けなので、どこへ行ったか?一番の思い出は?山へ行ったか?プールへ行ったか?などなど、聞いてみた。
楽しかったことを思い出す作業は脳も喜んでするはず。

これからの授業

たまたま今回は授業楽しかったよ!と言ってくれてそれは嬉しかったが、以前はヘトヘトに疲れさせてしまったこともあった。

オンラインでは難しいけれど、レベルを知ること以上に相手の性格を知ることにもっと比重を置きたいなと思った。

与えることばかりに必死になっていた自分へのよい戒めになった言葉。
公平という言葉を侮っていた。夏休みの終わりに良い言葉を知ることができた。

そうだよな、
公平だからと、山盛りのカレーを100kg超えの巨漢の酒豪さんと少食で胃炎気味さんの二人に出してもそれは公平ではないのだ。いや、それが適当でないことはわかっていたけれど、それが公平とは結びついていなかった。


そういえばビル・ゲイツさんの名言だったかな、

人生は不公平だ
って。そしてこう続いていた

1つだけ公平なことは誰でも1日は24時間ある
ということ。

限度はあれど、その24時間をそれぞれ公平に使ってもらえたら嬉しい。

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