ふいに頂いた世界最高峰のグラッパに、ものづくりの大切な事を学ぶ
先日の記事で書いたグラッパ。
こんなに角のない綺麗なグラッパがあるものだと思ったのだけれど、その背景がまた素晴らしかった
そもそもグラッパってなに❓
グラッパって聞いたことがない人も多いかもしれないので、まずはグラッパってなにか?ということだけ触れておこう。
イタリアンの食後酒として有名なグラッパは、ワインの搾りかすのブドウからとる蒸留酒。
蒸留酒なのでキッツいお酒ですね。
特徴はブドウの搾りかすの皮から種まで含めて発酵させ蒸留させるところ。
ちなみにその始まりは、ワインが上流階級のお酒となったころ、その搾りかすから作り出されたのだといわれています。
グラッパという名前になじみがない方は、マールと言えばわかるでしょうか?こちらはフランス語。
まぁどちらの名前にもなじみがあれば、あなたは酒飲み決定です(笑)
世界最高峰のグラッパ、ロマーノ・レヴィ
ロマーノ・レヴィは世界最高峰と称されるグラッパの名前であり、作り手の名前でもある。
グラッパの伝説的な作り手と称され、世界中にファンがいるのだけれど、その作り方や考え方を知るとそれもうなずける。
しかし、残念ながら2008年に他界されてしまったそう
(なので今検索して出てくるロマーノ・レヴィは昔のものとは味が違うそう。もうあのこだわりのグラッパを飲める機会はそうそうないだろう・・・バーで昔のレヴィを見つけたら一度頼んでみるといい。ただあほほど高いと思うのでまずは値段を確認してからをお勧めする。)
昔のままの製法を続けるということ
時代が進むと産業化にともない、便利で簡単な機械が登場する。これはどの産業でもそうだろう。
だけれども、昔の手法をそのまま続ける人もいる。
ここで断っておくが、私は「昔の手法がそのまま最高」と思っているわけではない。盲目的に昔=良いというノスタルジーで物事をとらえるのは少し危険だからだ。
しかし、理にかなっていて、「これはすごい!」って思う昔の手法が多いことは確かだ。
グラッパの場合ロマーノレヴィさんの作り方だ。
今になって我々は、循環だ環境だと騒ぎ立てているが、この作り方をみると、昔の人の知恵というものは完成しているのだと実感する。
まずは、その材料。
ワインを作った搾りかすを利用する。(これはどのグラッパもそうだけれど)
彼の場合はその中でも美味しいものを吟味し、2~3日以内のものばかりを使っている。
その保管はしっかり冷蔵庫で保存・・・なわけない。
7mの地下に掘った貯蔵庫保存。電気不要なのだ。
そこで発酵させた後、蒸留するのだけれど、発酵ももちろんブドウの菌をそのまま利用。無加糖での発酵もレヴィさんの特長。きっと小屋全体、菌がしっかりそだっているのだろう。
蒸留にかける火ももちろん機械ではなく直火。
直火での調整はとっても難しいそうなのだけれど、私が驚いたのはその熱源。
なんと、先ほどの発酵させたブドウを蒸留したものを乾燥させたものを利用する。
この段階でブドウはすでにワインとなり、グラッパの原料となり、熱源にもなる。ところがこれで終わりではない。
熱を作った後、灰になった元ブドウの皮は、農園に還元される。
一つの無駄もなく、すべてが利用され、見事な循環を作り出している。
何とラベルまで手作り
私がもう一つ感動したことがある。
それがこのラベル。
なんともかわいくて雰囲気があって、とっても好きなラベル。
おしゃれだな~って思ってたら、なんと、これ一枚づつ手書きというのだから驚かされる。
そのデザインは多岐にわたり、その時のインスピレーションでメッセージを込めるんだそう。だからメッセージも様々。
「グラッパは買うものではなくプレゼントするもの」
というレヴィさん。
相手を思いやる気持ちが、全部の作業を手作業で行う原動力なのだそう。
一つづつ手書きのメッセージラベルに、その思いが込められている気がする。
「グラッパは宝石のようなものだよ」
この心でのものづくりが、グラッパの世界最高峰にしているのだろう。
ということで、本日は、ものづくりの大切なことを改めて痛感させられた素晴らしいお酒の紹介でした。
詳しくはこの動画にて。見ればきっとあなたも飲みたくなるはず!
サポート頂いた場合は、食べれる森作りを中心に、南ラオスの自然を大切にする農場スタッフのための何かに還元させてもらいます。