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湯布院の亀の井別荘さんで、やっぱりいい空間はいいものだという事を思い出した話

私にとって空間を選ぶときに大事にしている事がある。
それは、決してきらびやかとうことでもなく、カッコいいということでも無い。
もちろん突出したデザインもいいが、その心臓の躍動は一瞬にして溶けてしまうからたまにでいい。
そんな私が空間で最も大切にしていること
それは居心地の良さだ。

・・・
だった。と言った方がいいかもしれない。
最近の私の目安は、日本においては、源泉かけ流しの温泉が5000円台で泊まれる事に置き換わっていたのだから仕方ない
これには少しの諦めの心が加わっている。
高級な宿に泊まっても、それほど心躍る事が無くなってきた。
サービスも時々過剰に感じてしまう。
せこい私はどうしても料金とサービス、空間のバランスを見てしまう。

そして、あぁ、やっぱりこんな感じかぁって思う事が多くなってしまい、
「だったら放っておいてくれる方がよっぽどいい」
に行き着いたわけです。

自分で勝手にやります。となっていく
起きて半畳寝て一畳あればいい・・・とまではいかないけれど、5000円ならそこそこでも納得できるという訳である。

大体が、朝食も夕食も時間を指定されるのは好みではないから仕方ない。。

前日に、「明日の朝食は何時になさいますか?」
なんて聞かれても、「そんなん朝になってみんとわからんやん」
といった具合

しかし日本の殆どの温泉旅館は高級であればあるほど、素泊まりができない事になっている。しかもアラカルトは無しで、異常に多い品数のコース料理が、たっぷり時間をかけて出されるおもてなし料理がほとんど。
あれは、私の中ではおもてなしではなく、宿側の都合に思えて仕方ない。

だから宿の選択が「素泊まりできること」へと行きつくのだけれど、中途半端な金額の素泊まり宿は中途半端な装飾がされていて、中途半端なサービスでこれもまた好みではない。その割に高いなぁって思ってしまう。で、行き着いた選択が、源泉かけ流しで5000円以下となるわけである。

もう、これだけで殆ど納得するしかない設定なのだ。なにせ源泉かけ流しという最高の設備が付帯しているのだ。

最近でよかった宿というと、平湯温泉のTabist 風雪さん

https://tabist.co.jp/h/B21RKOO
源泉かけ流しの上、貸し切り温泉付き。

スクリーンショット 2022-09-11 104856


部屋は10畳あるので十分な広さで、最近改修したらしく新しく無駄がない。
私が最も気に入ったのが、エレベーターがエスニックな香りがするってこと(笑)
従業員はアジアの人が多いらしく(受付もベトナム人だった)スタッフが2階で料理した香りがエレベーターに充満している。
これがいいと思う人は少ないかもしれないけれど、なんだか哀愁があって私はとっても気に行ってしまった。このゆるさ最高ですね😁

他にも色々紹介したい宿はあるけれど、今日は5000円の安宿を紹介する記事でない事に気が付いた!

実は、そんなコスパ重視に舵を切った私だったが、先日
「いいものはやっぱりいい!」
と思い起こされたのだ。

それを思い出させてくれた宿が湯布院の亀の井別荘

亀の井別荘の素晴らしさ

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ここにははっきりいってやられた
室礼に非の打ち所がない
置いてある家具などがどれも素晴らしいものばかりなのに、どれも主張していない。
ただそこにある。
だけどそこにないと、少し空間がぽっかりと穴があいてしまうような印象をうける。

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李朝系の家具が結構多くつかわれていたが、普通、李朝家具をおくとそれを美しくみせるために主張したくなるものだ。
しかし李朝家具なんてもんはそもそも庶民の道具
きらびやかである必要はない。普段そこにあるように、李朝の家具も当たり前のようにそこにある。

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机も軸も何気ないんだけれど最高の品が最高のバランスをもって保たれている。机の天板の薄さといい、縦横の寸法といい、塗りといい何とも心地いい。
私の下手な写真では分かりずらく、単なる和室に思えるかもしれないけれど、非常に心地のいい無駄のない空間だった。

無駄な情報が一切入ってこない、ノイズが一切ない空間。

だから、居心地が最高にいい

ここで誤解がないように付け加えておくと、
無駄な情報が一切ない=真四角い箱だけ
ということではない。
それは返って私たちには居心地が悪い空間になってしまう。
必要なものが必要なとこにあり、無駄を上手にとりあわせて無駄がなく、ノイズや主張の無い空間を作るという事が心地よさにつながる
モノがあるのにモノに気を取られないというといいだろうか?

それが室礼のうまさであり、それが叶ったとき、本当に居心地がいい空間ができると思う。

空間だけでなく、アメニティなどもいいものばかり
私は旅館の浴衣はノリでパリッとして着にくいので基本的に着ないけれど、細番手のいい綿を使った柔らかい浴衣で久しぶりに浴衣で過ごし大満足

私が泊まった部屋は10畳和室が2部屋。それに室内風呂が勿論源泉かけ流しでついている。アメニティも全部最高品室でこんなところにもぬかりがないなぁって感心

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せっかくのいい宿なので、ついついバーに出かけてしまったが、ここの空間もまた大満足。
さて、料理は?と思われた方がいるかもしれませんね。

実は、亀の井別荘さん、室内で料理を堪能できるプランもあるのですが、素泊まりのプランも用意してくれているんです。
そして敷地内のレストランでアラカルト料理を楽しむこともできるんです

私はもちろん素泊まりプラン。
一度泊まって見たかった亀の井さん、最低でも10万円くらいするかなぁって思ってたのですが、なんと3万円台で、1万円分の館内利用券がついてきました。はっきりいってこのサービスと空間でありえない破格の値段です!

※湯布院は5時くらいには外の店は閉まるので、素泊まりの場合はなにか用意しておくか、早めの夕食か、敷地内のレストランを予約しておくことをお勧めします

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という事で、本日は亀の井さんべた褒めの記事でした(笑)

最近めっきりいい空間に巡り合えてませんでしたし、興味がそこには無かったのですが、やっぱりいいもんはいいですね!

そんなことを思い出させてくれた九州紀行でした。

私の写真と言葉では伝わり切らないと思いますが、大分行かれる際は是非足を運んでみる事をお勧めします。

サポート頂いた場合は、食べれる森作りを中心に、南ラオスの自然を大切にする農場スタッフのための何かに還元させてもらいます。