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未来があると言われたけど。

死別後一ヶ月経った今の気持ちを書き起こしてみたい。

今まで全くの他人事だった「死」という概念。震災が起きてもニュースで事件が起きても、今までは心を痛めるふりをしていただけで、本当の意味では到底理解していなかったように思います。

その経緯から、自分の友人には夫が亡くなってしまった事を今も伝えていません。わかってもらえないから。ましてや恋人や家族、子供がいて幸せそうに見える人には特に言いたくありませんでした。

共通の友人には、全員ではないけれど報告をしました。勝手な私の解釈で、その時選んだ共通の友人にとっても夫の存在は濃い気がして、一緒に悲しんでくれるんじゃないかと、ある意味縋ってしまいました。

でも、全員なんとなく理解しているのが「遺族の悲しみは遺族にしかわからない」ということ。

友人それぞれには帰る場所がある。この世界で待っている人がいる(例外もあるが)個人差はあれど、時間とともに悲しみは癒えていくのかもしれない。

遺族は違います。いなくなってしまった人の形だけぽっかり抜けたまま修復はしない。その人でないと埋められない穴がずっと空いたままです。

夫の家族は弟がいるので4人います。33年間育ててきた子が自分たちより先にいなくなってしまった両親。唯一の兄弟だったお兄ちゃん子の弟。紆余曲折あれど最初に会ったときから仲良しな家族だなあという印象で。私から見て義母、義父、義弟にあたるみんなそれぞれが夫へのやり切れない想いを抱いています。

私はと言えば、人生はここで終わったと思っていて。きっと彼に怒られると思うけれど今はどうしてもそう思ってしまうのです。

私は今年で30歳。これから何も起こらなければ50年くらい生きていきます。それはずっと彼と一緒だと思っていました。まだ未来があるよと言われたけど、一緒じゃなければ意味がない。なのに突然、当たり前のように描いていた未来が消えた。

起きても隣に姿がない。仕事から帰ってもいない。待ってても帰ってこない。休みの日の予定にいない。「いない」を毎日繰り返す。日常が消えた。

何のために起きて、何のために仕事しているのかわからず。一所懸命支えようと奮闘してくれている母親にさえ、最初は心無い言葉をぶつけてしまいました。大きな感情の波が何度も襲ってくる。悲しい気持ち、寂しい気持ち、形容しがたいたくさんの想い。何をしていても彼のことが頭から離れない。

結婚してからも一人の時間は好きだったけど、一人にされるのは違うよ。

毎日こんなにつまらないなんて。

何も考えず笑っていた日のことが思い出せない。そんな今。


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