見出し画像

雨①

今日の雨の降り方が、旦那が運ばれたあの日に似てて。

きっと忘れることはないのだけど、あの刺すような痛みが遠くなっていく前に、少し書いてみようかと思う。


夏に差し掛かる少し手前、どの服を着るか悩むような季節。

結婚3年目を過ぎた頃、私と彼はお互いに趣味もありそれぞれが自由に好きなことをやりはじめた時期だった。

その時の自分には「一緒にいる時間をもっと大切にしろ」って言ってやりたいし当時本当に悔しくて申し訳なくて情けなかったけれど、当然のように明日も明後日も一緒にいれると思えてた自分は幸せで、きっとそれも自然なことだったと思う。

最後に直接話した言葉は「おやすみ。いってらっしゃい。」

わたしはそう言って先に寝た。

彼は次の日仲間と一緒に一日泊まりで出かけた。わたしは仕事から帰り、一人なのを良いことに夜遅くまでゲームに勤しんでいた。

”帰ってきたら”その日どうだったのか話をしよう。遊んでるんだったら、まぁラインもしなくていいか。と思ってた。

思い返すと本当に頭すっからかんだな。

休みを合わせてお出かけするとかも減っていて、あんまり良くない傾向だなあと感じてはいたものの、何故か漠然と(そろそろ子供のこととか考えたりして、そしたらゆくゆく一人の時間もないし、今はいいっかー)って独りよがりで思いやりのないことを勝手に考えてた。

二人のことなんだからもっと話す時間が必要なのにね。

優しさに甘えてた。

今でも考えちゃう、あの人幸せだったのかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?