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和の色名~初夏を感じる緑~

こんにちは、カラープランナーの かわべ みえ です。
五月晴れが続き、とても心地よいですね。 気温は日中は夏のような気温ですが、日陰や室内は清々しいです。 5月は様々な自然に匂いがあるように感じます。 爽やかな風の匂い。生き生きとした緑やお花の匂い。 雨の匂いも殊の外感じるような気がします。 全てが息づいて、喜びに溢れているような世界になります。
今日は5月にあふれる緑の和の色名をご紹介したいと思います。

抜けるような青空 五月晴れ

今では、新暦5月の爽やかな晴れを「五月晴れ」 と呼んでいますが、昔は少し違ったようです。 江戸時代以前は旧暦5月(新暦では6~7月)に 降る雨(梅雨 ばいう)のことを 「五月雨(さみだれ)」と呼んでいました。

また、その時期のどんよりした雨雲を 「五月雲(さつきぐも)」と呼び、雨続きの日の合間に現れる、 抜けるような青空を「五月晴れ」と言ったそうです。

宮中行事だった更衣=ころもがえ

元々は宮中行事の「更衣」を指しています。 現在は6月1日とされていますが、平安時代などは 旧暦の4月1日と10月1日と定められていました。 旧暦の4月1日は新暦の4月23日ころ。 今より早く衣替えをしていたのですね。 少し肌寒いのでは?と思ってしまいます。

和の色名 初夏を感じる緑

まぶしい初夏の色は、若苗、若楓、若草色など 鮮やかで明るい緑の美しさに目が奪われます。 田園も稲の緑に覆われます。

緑は「ミド」が語根で、瑞々し(みずみずし)のミズと 関係していると広辞苑にあります。 なんとも爽やかなイメージです。

また、英語のgreenとgrow(育つ)は語源が同じで、 成長過程にみられる若々しさをあらわす色でもあります。 ここからは初夏を感じる緑の和の色名を ご紹介したいと思います。

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若苗色(わかなえいろ)
田植えの時期の植えたばかりの苗の色。

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苗色(なえいろ)
明るく落ち着きがあり、若苗色より少し暗い色。 梅雨を過ぎ、力強く成長する稲の緑色。 夏風が吹き、水田の苗がそよぐ。 そんな懐かしさを覚える風景の中の色です。 平安時代に誕生した色名ですが、時代によって 少しずつ色みに違いがある色です。

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青草(あおくさ)
青々と茂った草や稲の色。 生命力に溢れた力強い色です。

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若竹色(わかたけいろ)
若い成長をはじめたばかりの竹の幹肌のような明るい緑色。 昔から身近な素材であった竹にまつわる色名は多くあります。

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青竹色(あおたけいろ)
若竹色の竹が成長すると青竹色になります。 日光を浴びて青々と成長した竹の色。 青みの濃い緑色で、江戸時代中頃に生まれた色名です。

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青竹鼠(あおたけねず)
青竹色をくすませた色。 明治時代中頃の流行色です。

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苔色(こけいろ)
苔のような深く渋いくすんだ黄緑色。 明治時代からはモス・グリーンとよばれるようになりました。 日本人は苔むした老木や庭園に深い静謐を感じる文化を持っています。

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青苔(あおごけ)
青みがかった苔色。 鎌倉時代には武士に人気の色でした。

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青朽葉(あおくちば)
緑みの朽葉色。平安時代に誕生した色名です。 「朽葉四十八色」とよばれるほど種類の多い 「朽葉色」の中でも、最も緑みが強い色です。

「枕草子」には貴族の女児の衣裳の汗衫(かざみ)は 「夏は青朽葉」とあり、梅雨から夏の時期に着用したようです。

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浅青朽葉(うすあおくちば)
青朽葉の薄い色。

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仏手柑色(ぶしゅかんいろ)
仏手柑色を示す資料はほとんどありませんが、 渋い黄緑とされる説があります。 果実の下部の形が仏の手の指の形に見えることから 名付けられている仏手柑(ぶっしゅかん)の 果実は黄色です。

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鮮緑(せんりょく)
新鮮で力強い葉のイメージ。 ご覧いただいたように、古来日本では、緑と青を区別せずに呼んでいました。 青田、青竹、青葉、青草などはすべて緑です。


自然の息吹を感じることができる5月。 梅雨入りの声が聞こえるまでのわずかな時間、 この爽やかさを満喫したいものですね。 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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