ゆっくり動く 2023

目標は、よく噛んで食べること。

毎年、新年の抱負として「ゆっくりよく噛んで食べる」ということを掲げている。なんだか小学生の目標みたいですが。

しかし、これが意外と難しい。長年の早食いのクセがしみついている。すぐにスピードがあがる。カレーは飲み込み、唐揚げをビールで流し込む生活に逆戻りする。

ただ去年は、事あるごとにこのシンプルな抱負を思い出し、ゆっくり食べることを心掛け、継続してきた。

そうするとまず体調がよくなった。全体的に気持ちいい。内臓の負担が軽減されていくのが実感としてわかる。

そして僕の咀嚼筋がこれまでいかに仕事をしてこなかったかに気づく。その咀嚼筋の怠惰な仕事ぶりの影響をもろに受けてきたのが内臓たったのだ。胃や腸はどうやら業務過多に陥っており、悲鳴をあげていたようだ。口と歯はその声を無視しひたすら大量の仕事を、どかどか渡していた。それは、文字通りクライアントからの意向をかみ砕かずに制作サイドに丸投げをするディレクターのようでした。反省します。

で、ここからが本題なのだけど、今年は食べることだけでなく、あらゆる動き・取り組みにこの「ゆっくり・よく噛んで」を取り入れたいと思っている。

ゆっくりをすべてに。

ゆっくりなんか簡単じゃないか、怠ければいいだけなんだから、という声が聞こえてきそうだが、これも実は難しい。

とかく、効率・スピードが重視され、評価される世の中である。(もちろんそれも大事です。)そういった社会からのプレッシャーか、はたまた死・老いへの恐怖からか、僕たちはいつも何かに追われている。時間をかけることに必要以上に、ネガティブな感情を持っている。

しかし、だからこそ時間をかける、冗長性を持つということが、一つの能力になり得るののではないだろうか。それはただの怠惰とは違うのである。

スピーディーに最短距離でという圧力に屈することなく、急がば回れの精神で2023年は生きていこうと思っている。

ゆっくり食べることだけ書こうと思ったんだけど、だいぶ大げさな年頭の所感になりました。

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