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問.友達の定義

いつの日からか、人に誰かのことを説明するときに"友達"じゃなくて"知り合い"で片付けることが多くなった。
キッカケは思い当たる。小学5年生の夏の日の話だ。

当時仲が良かった友達数人とさらにその友達の友達の山本(仮名)など数人を交えて毎週水曜日に遊ぶようになった。

多分六人くらいでゲーセンに行ってUFOキャッチャーをしたりプリクラを撮ってマブダチって書いたりした。

そしてそんな日常がしばらく続いたある日、あんまり親交の無いクラスメイトに「山本と友達なん?」と聞かれた。

当然のように「うん」と答えた。

クラスメイト「えっそうなん?ほんと?」

山本「いや別にそういうわけでもないけど」

衝撃的だった。本当に身体に電気が走るのを感じた。え、え、え友達ちゃうの?マブダチって書いたじゃん?

他にも色々あったのだが、これが1番大きなキッカケだったと思う。いつの間にか友達の定義がわからなくなり、よっぽど仲の良い人以外は"知り合い"という楽な言葉に逃げるようになった。

人間関係では悩んでばかりだ。だいたい親友とは最後うまくいかなくなり疎遠になる人生だった。

小学生の頃家族ぐるみで仲が良かった親友宅から送られた「引越ししました」のハガキを見ながら思う。その送り主は親友の母親だし、宛先は私の母親だ。私や親友の名前はない。

でも、どの親友との別れも振り返ってみると仕方ない事のように思う。成長した今、あの頃に戻ってやり直しても結局うまくいかず疎遠になるかギクシャクした居心地の悪い関係になるだけだと思う。

運命だった、そんなセリフが似つかわしい。

そんな疎遠になった人の中にも私の人生観を大きく変えてくれた人はいっぱいいるし、たとえ続いてないとしても無意味な関係じゃなかった、そう思いたい。

きっと私は明日からも微妙な距離感で知り合い達と付き合っていくのだろう。

願わくば自信を持って友達と呼べる人をもう少し増やしたい。


end

#エッセイ #友達 #人間関係 #日常

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