履歴書を作るために考えること。(前編)

 ジョブ・カードは、平成20年の厚生労働省が作りました。その後、我が国の成長戦略のインフラとして位置づけられ、現在では、求職者、在職者、学生、と幅広い方が活用しています。
 また職業訓練とも連動し日本版デュアル訓練や中長期的なキャリア形成支援を目的に拡充された教育訓練給付の対象となる専門実践教育訓練などの受講申込の必須の書類となっています。

 それは、教育訓練受講者のキャリア・プラン(職業生活設計)、ひいては訓練受講の必要性をより明確にして訓練効果の向上を計ることを目的として、ジョブ・カードを作成し教育訓練受講前キャリアコンサルティングを受けることが制度化されているわけです。

 現在の求人票で必要な応募書類について、私は、「ジョブ・カードは、自分のために作ります。履歴書などの応募書類は、応募先のために作ります。」と考えています。
 今、毎月1回ハローワーク宮古とハローワーク釜石で「就職に役立てるジョブ・カード入門セミナー」を開催しておりますが、(これを聞いた後だとわかりやすいのですが。)ご自分のジョブ・カードを作成した後の、応募書類を作成するときのポイントについてご相談が良くありますので、その時にお話ししていることを紹介します。

以下その概要です。

■考え方


応募書類は、採用され一年間働いてもらえるお給料と同じ値打ちのある書類と考えています。

■履歴書
履歴書は、「初めまして」の自己紹介書類です。
企業は、まず履歴書の内容を見ます。職務経歴書を同封するとしても、決して履歴書も手を抜いてはいけません。(JIS規格から除かれましたが一般的に使用されるJISに準拠したものでよい)

基本1.「ボールペンか万年筆で書く」

手書きする場合は、黒のボールペンか万年筆で書く。鉛筆やシャープペンシルは使用不可。
履歴書は証書類で人事ファイルとして保管管理されますので「消せるボールペン」も不可。
きちんと楷書で記入し、欄に適度な空白をとることで読みやすい気遣いを感じます。

基本2.「修正液は使用不可」

記入ミスをした時は、修正液や修正テープを使わず、一から書きなおすこと。
ですから、いきなりボールペン等で書くのではなく、薄く鉛筆で下書きすることをお勧めします。
そしてボールペン等で清書後、時間を置いてインクが安定してから消しゴムでていねいに消すと良いです。
そもそもその前に下書きしたものを用意し、それを見ながら記入するとと記入ミスを防ぐことができます。
清書は、いそがずじっくり書いていく、集中力が大切です。

基本3.「文章形式や年号の統一」

文章形式は「です・ます」をつかってください。
年号は通常、和暦(平成・昭和)で統一します。但し、外資系企業やウェブ系企業では西暦での統一。数字は算用数字を使いましょう。
なお一緒に提出する職務経歴書などの応募書類とも和暦・西暦をそろえてください。

基本4.「誤字・脱字チェック」

どんなにしっかり履歴書を作成しても、誤字ひとつで全てが無駄になります。
提出前に再度必ず誤字・脱字の確認をして下さい。

基本5.「好感が持てる写真を使う」

写真は採用担当者の第一印象を大きく左右します。良い印象が持てる写真が重要です。
できれば写真館などプロに撮影してもらうとベストです。
撮影前には鏡で装いを確認しましょう。撮影時は笑顔を心がけると、明るくて柔らかい印象になります。提出日から3ヶ月以内に撮ったものを使用してください。
履歴書に貼る前に、写真の裏に氏名を書いておくと、めくれたりはがれたりしても安心です。

基本6. 「募集に合った資格を書く」

免許・資格欄記載の際は、事前にライセンスや免許の正式名称を確認しましよう。
なお自動車免許保持者は、職種・業種にかかわらず必ず書くようにしましょう。
資格のすべてをリストアップするのではなく、応募職種にフィットするものを記入すれば、履歴書の説得力が高まります。記載順は、求人案件にフィットしたものから記していく「アピール順」をおすすめします。
なお現在、資格取得のために勉強中の方は、「志望動機」または「アピールポイント」の欄に記載し、「意欲」や「積極性」をしめすことも可能です。

基本7. 「基本項目もしっかりと書く」

通勤時間は自宅から勤務地への通勤時間ですが、最短時間を記載してください
また勤務条件について数々の希望があったとしても、履歴書には記載しないのが一般的だ。
本人希望記入欄は、空白ではなく、「貴社規定に従います。」とか、「営業職を志望ます。」「一般事務を志望します。」等書き込むと、何の仕事に応募した履歴書か解るわけです。
さらに、連絡に関する希望をハッキリと書いておくと、連絡の心配が解消されます。

基本8.郵送で封筒はA4角二。

 応募書類は織り込んでぐちゃぐちゃにならないようA4サイズの書類がそのまま入るA4角2封筒を利用しましょう。応募先の宛名も鉛筆で下書きしてからボールペン等で清書しましょう。縦書きは斜めに曲がってしまうことが良くあります。なお切手も料金不足にならないよう注意、郵便局の窓口で送ると安心です。

 次のブログ記事で、職務経歴書との関係でもう一押し、もう一工夫をご案内します。

・・・04/01/20・・・