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履歴書を作るために考えること。(後編)

 ジョブ・カードは、職業訓練受講希望者の方が利用するだけではありません。ジョブ・カードは、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」のツールです。応募書類への活用もできます。そういったご相談を頂くこともあります。今回、履歴書以外に職務経歴書も求められた際の対処について情報提供させて頂き、このテーマを終了とします。

1,履歴書と職務経歴の2つの書類が求められる時

・履歴書は、人事ファイルを意識し定められた項目をしっかりと書き込むこと。
・職務経歴書は、仕事経験をより詳しく伝え、仕事を通じて身につけた能力が中心に。

2,職務経歴書について

履歴書については第1回でお話しました。(第1回の記事に移動します)
 
職務経歴書は形式自由です。私の面談ケースでは、2つの作成方法が利用されます。

1)ジョブ・カード様式2職務経歴シートを利用する。
様式番号など不要部分を修正テープで消しコピーをして提出する。急ぐ場合に。実際にこれで採用された方もいます。なおデータの場合は加工が容易です。
2)「職務経歴書」としてジョブ・カードの内容をまとめ直す。
この方式の方がほとんどです。ハローワークのパンフレットを参考にすれば問題ありません。私はできたらPCで作るようお勧めしています。PCでの書類作成のスキルやセンスをアピールでき、追加や修正も簡単です。

3,職務経歴の記入方法について

1)暦年記載:暦年で、古い順からか新しい順から書いていく方法。
・ジョブ・カードを利用すると古い順からの歴年記載になると思います。
・新たに作成する場合は、暦年で古い順から書くと履歴書と対応した表現になります。新しい順から書くと、直近の仕事を強調できます。
2)業務別記載:経験業務でまとめて項目立てし、その内訳を暦年で書いていく方法。
・多くの勤務先を経験した方、転職の多い方、非正規雇用の方にこの方法をお勧めしています。

4,「志望動機」と「志望理由」を、履歴書と職務経歴書で使い分け

 履歴書は「志望動機」、職務経歴書は「志望理由」と分けて考えて書き込むことをお勧めしています。以下その違いを説明します。

1)履歴書の「志望動機」
どうしてこの会社を選んだのか、その動機を書き込みます。応募先へあなたへのメッセージです。
 ちょっと横道にそれますが、履歴書の「志望動機」の欄は横の罫線が入っていません。文章を書き込んでいくうちに、きれいに文字が並んでいないことがあります。鉛筆やシャープペンシルで薄く罫線を入れてから、きれいに読みやすく書いてください。文章はスぺースの範囲で、短めの文章で、句読点をつけ、テンポよく表現してください。

2)職務経歴書の「志望理由」
この欄は、職務経歴の内容に基づいた志望理由です。「履歴書」と区別して、職務経歴からくる仕事経験・学んだこと・身につけたこと、つまり職業能力をもとにした志望理由です。応募先にとってわかりやすくなります。

5,志望動機や志望理由を考える方法

 「求人要件」と「自分のできること」とを照らし合わせして下さい。
応募先と求人票を見て「どんな会社で、どんな人を望んでいるのか」を読み込んで判断します。そして私は、どうしてこの求人に応募しようと思ったのかを自分自身に聞いてみてください。「どうして、それはどうしてと・・・」とWHYの4乗くらいは自問自答してください。自分の志望動機や理由が見えてくると思います。

  最初の答えは、「給料が高いから、労働条件が良いから、通勤が便利だから」などという自分中心の理由が出てくると思います。
 これをさらに「何故」と、応募先との関係性で「何故この会社のこの求人を選んだのか」突き詰めると「志望動機」を語れるようになります。

 そして職務経歴書で「自分のできること」を、つまり仕事を通じて学んできたことや身につけてきたことを「自分の職業能力」、「自分のできること」として抽出し整理します。

 この2つを照らし合わせて「志望理由」を表現します。
さらには応募先でどんな役割や役回りを果たせるのかを具体的に書き込みたいものです。

※ ジョブ・カード様式2職務経歴シートを使う場合は、履歴書の志望動機・理由の欄で2つをコンパクトに語ることになります。

6,自分の言葉で文章を作ること。

 自分自身の言葉で述べ、応募先のために作成することです。
よくある例文では他の応募者と変わりません。「あなた」ではありません。自分の体験や経験、価値観をベースにもう一つ深く掘り下げて、自分の志望動機や志望理由をまとめてください。面接でもよく質問されますので面接準備にもなります。

まとめ

● 応募先に応募しようと思った理由、応募先を選んだ動機。
(主に履歴書)
● 応募先企業で活用し実践できる経験・スキル・能力。
(主に職務経歴書)
● 応募先企業で入社後どう貢献するつもりなのか。
(主に職務経歴書)


最後に

 前回の掲載を含め、私流の方法です。他にも良い方法があるかも知れないということを付け加えて終了とします。

・・・04/01/31・・・