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介護福祉士実務者研修の受講相談で感じたこと。

 ご存じのように、介護職は、「介護職員初任者研修」➡「介護福祉士実務者研修」➡「介護福祉士」という基本的なキャリアパスがあり、「介護福祉士」は介護分野の唯一の国家資格です。介護サービス事業者・施設は、厚生労働省の「介護施設処遇改善加算」の申請のための「キャリアパス要件」と「職場環境要件」を満たすことが必要です。キャリアパス要件Ⅲでは「介護職員実務者研修修了者」や「介護福祉士」等の取得に応じて昇給する仕組みも例として求められています。職務階層、職務階層の目安、役職名称、求められる能力など文書化されていますので、まずはご自分が働く事業所や施設のキャリアパスを知ることが大切、と感じます。

 介護福祉士実務者研修の受講をめざす方のジョブ・カード作成支援では、男女や年齢かかわりなく幅広い方のご相談を受ける機会が多くあります。

 一つはお若い方です。
 高校卒業後、新卒で福祉法人の介護職になり3年間の就業実績にて介護福祉士実務者研修の受講要件を満たした、20歳台前半の方などです。

 こういった方のジョブ・カードは、様式2職務経歴はひとつの勤務先で、様式3-1免許・資格、3-2訓練・学習歴もシンプルなものになります。従ってポイントとなるのは様式1キャリアプランです。今までの3年間を振り返ると、苦労したことや大変だったこと、それを何とか乗り切ってきたことそれ自体学んだことが多く素晴らしい経験を積んできています。改めて将来に目をやって目標について聞かれるのが、様式1キャリアプランシートになります。自分の目標は?と考え始める良い機会になると感じます。20歳前半で、先のことを考えるにもまずはスモールステップで、そして計画的偶発性の余地が大きいので30歳くらいの具体的な目標設定になるように感じています。

 もう一つは、人生経験を積んだ方です。
 60歳前後のこれからシニアの人生に向かう方が介護福祉士実務者研修を受講希望されます。このような方にもよくお会いします。「働けるうちは働きたい。」これからの生活の生きがいに関することであったり、ある方はこれからの生活費等経済的な面などのお話をされることもあります。もちろん年金のお話もあります。キャリアコンサルタントの方で、ファイナンシャルプランナーの資格を取得する方がいらっしゃいますが、その理由もよくわかる相談現場になります。
 60歳前後の方ですので、様式2職務経歴は、複数の勤務先の場合が多く、6つの欄では間に合わず2枚目のシートに及ぶことも多々あります。ご記入の前にあらかじめ記入用紙をコピーしておくほうが安心です。

 男女の差別のないジェンダーギャップが話題になり男女の比率が取り上げられますが、介護福祉士実務者研修受講希望者のように年齢差別のないダイバーシティというのでしょうか。そんな日本にしていきたいです。例えば男女比比率などを制度で矯正するよりも本質的には、性差や年齢差や人種にかかわらず実力主義の日本になることと思う今日この頃です。

・・・04/05/09・・・