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乾燥地帯の自己増殖

私も詳しく知りませんでしたが、鳥取砂丘は海岸の砂が季節風で陸地の奥に運ばれて作られたものであって、砂漠とは違うそうです。確かに「鳥取砂丘」であって「鳥取砂漠」という文字は使われていません。
そのくらい、「砂漠化」と言われても、日本人にはピンときません。

しかし、今や世界の陸地の半分が乾燥地帯であり、急速に拡大しています。
気候変動と不適切な土地利用がその要因であることは事実だと思いますが、このサイエンス誌に最近発表された「Climate Change Expands Drylands, Transforms 5.2 Million Square Kilometers of Humid Land, Study Finds」という論文によると、砂漠地帯は、それそのものに増殖機能があることが分かった、とされています。

一旦、砂漠が構成されると、大気中に放出される水分が減り、熱が増え、その結果、付近の湿潤な地域での降雨量が減り、結果、そこも乾燥地帯に変わってしまう。
つまり、乾燥地域は、自己拡大する訳です。
まるで「癌」ですね。

気候変動でも何でも、元へ戻せる状態であれば良いのですが、知られていないThresholdを超え、戻れなくなり暴走することが一番恐ろしい。
今年の40度近い猛暑と、この大雨を経験した日本人は、意識変革できるでしょうか。