Landscapeapproach

18年間企業でTNFD・TCFD・CDPなどのESG、持続可能な認証取得支援、ヴィンヤ…

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18年間企業でTNFD・TCFD・CDPなどのESG、持続可能な認証取得支援、ヴィンヤード生態系調査、サスティナビリティを担当。

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ESG・サスティナビリティのnoteを始めます。

2024年7月末に、大手食品会社を定年退職します。 ビジネスパーソンとして、最後の18年間は環境の担当でした。 「ESG」という言葉が日本で殆ど知れられていない2000年後半からCDPの回答を始め、TCFDやTNFDにも世界に先駆けて対応をしてきました。 また、海外の原料生産地への持続可能な農業認証の取得支援、FSC認証紙を社会に普及うさせるための企業の枠を超えたコンソーシアムの創設、国内ヴィンヤードにおける草生栽培のネイチャー・ポジティブへの寄与に関する研究など、様々な活動

    • ネイチャーポジティブに愛されてる?ヴィンヤードと日本ワイン

      2014年秋に、農研機構の先生方と初めて椀子ヴィンヤード(長野県上田市)を訪問した時のことを鮮明に覚えています。 上田駅からタクシーで20分、水田の景色の中に陣場台地が見えてきます。 その裾の坂を上り、少し行くと、なぜか上田市だけで人気のマレットゴルフ場の横を通り過ぎ、そのすぐ先にシャトー・メルシャン椀子ヴィンヤードが見えてきます。 2014年のその日、その椀子ヴィンヤードが見えてきた瞬間に、隣に座っておられた農研機構の先生がぽつり。 「これは、凄いことになりますよ。調べれ

      • スリランカ紅茶農園でのランドスケープアプローチ

        「バリューチェーン」というワードを聞いたことはあっても、実際に日本企業が真剣に「バリューチェーン」を考えるようになったのは、2011年にGHGプロトコルのスコープ3基準が正式に開示されて以降のように思います。 大きな一歩ではあったものの、対象がGHGであったがために数字を通じた抽象化された理解に留まり、視点は自社の灯台の下から調達先という直線状の課題に広がっただけでした。 一旦数字になってしまうと、その背景には関心が行かないものです。 実際は、企業は様々な社会の「システム」

        • 「自然に基づく解決策(NbS)」のトレードオフと植民地主義

          3週間も掛かってしまいましたが、ようやくNature-based Solutionsの「narratives, frames, and future horizons」のレポートを和訳できました。 非常に興味深く、学ぶことの多いレポートです。 このレポートでは、「自然に基づく解決策(NbS)」には、多くの課題があるとして、推進派と批判派のナラティブを分析しています。 ここでの課題は、「自然に基づく解決策、という曖昧な用語を利用して、本来なすべきことをせずに、企業がオフセット

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        ESG・サスティナビリティのnoteを始めます。

          「サステナブル分野の統合的評価に関する勉強会」とりまとめ

          2024年7月5日に、みずほリサーチ&テクノロジーズ様から「「サステナブル分野の統合的評価に関する勉強会」のとりまとめ報告書」が開示されました。 https://www.mizuho-rt.co.jp/company/release/2024/pdf/r08-sustaina-ases.pdf https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20240705_2release_jp.pdf これは、23年11月から学識者や民間企業が多数参加し

          「サステナブル分野の統合的評価に関する勉強会」とりまとめ

          キリングループの環境報告書(TCFD・TNFD)が開示されました。

          2024年6月18日に、キリングループの環境報告書2024が開示されました。 リリース: https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2024/0628_01.html ダウンロード: https://www.kirinholdings.com/jp/investors/library/env_report/ 今回の環境報告書では環境ビジョンの環境価値相関図(P11)を一部修正したのに加えて、TNFDの開示をできるだ

          キリングループの環境報告書(TCFD・TNFD)が開示されました。

          科学的エビデンスの重要性: IPBESの「ネイチャー・ポジティブな未来へのナビゲート:生物多様性の具体的解決に向けたエビデンスの戦略的取り込み」報告書

          IPBESは、生物多様性のIPCCと呼ばれる組織です。 そこが管理している生物多様性・生態系サービスネットワーク (BES-Net) から、「NAVIGATING TOWARDS A NATURE-POSITIVE FUTURE Strategic Uptake of Evidence Towards Tangible Biodiversity Solutions 」と呼ばれるレポートが公開されています。 今回、勉強用に和訳してみました。 レポートの内容は、BESソリューシ

          科学的エビデンスの重要性: IPBESの「ネイチャー・ポジティブな未来へのナビゲート:生物多様性の具体的解決に向けたエビデンスの戦略的取り込み」報告書

          TNFD and EFRAG の対応マッピング

          TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)とEFRAG(Europe's voice in corporate reporting:欧州財務報告諮問グループ)が共同で、ESRS基準とTNFDの勧告の対照表を作り、開示しています。 https://tnfd.global/tnfd-and-efrag-publish-correspondence-mapping/ ややこしいのですが、ESRSはEUのサステナビ

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          WBCSD the Freshwater Accountability Navigator(淡水アカウンタビリティナビゲーター)

          WBCSD FAN(淡水アカウンタビリティナビゲーター)は、WBCSDの提唱する"ACR-D Framework"を実践するためのインタラクティブなガイド。 このツール通りにやるかはともかく、基本的な水へのアプローチ方法としては参考になる。 ACR-D は、SBTNのAR3Tと極めて似ている。 また、水のリスクと機会では、①水に対する企業の影響、②水への企業の依存度、の2つで判断することになっている。 これは、TNFD(およびLEAP)で提唱されている考え方と符合する。 自然

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          AIGCCとPwCの共著レポート

          AIGCCとPwCが、日本の自然関連リスクについてまとめたレポートを公開しました。(TNFDの原口さんと原島さんが序文を書いておられます。) 勉強を兼ねてポイントをまとめています。 リリースページ:https://aigcc.net/japans-capital-market-is-exposed-to-nature-related-risks-new-research-by-aigcc/ 日本語のレポートのダウンロードサイトは以下の通り。 https://aigcc.

          AIGCCとPwCの共著レポート