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機能性表示食品トレンド2023:マルチヘルスクレームによる差別化が増加

2023年度の機能性表示食品の市場規模は5000億円にも到達すると言われ、多くの企業の参入が相次でいます。
他社との差別化戦略の一環としてヘルスクレームを複数訴求する、マルチヘルスクレームの機能性表示食品が増えてきました。
特にGABAを機能性成分にすると「血圧改善」「ストレス緩和」「疲労感の軽減」「睡眠の改善」「肌弾力の改善」「認知機能の改善」「筋肉」最大7個のヘルスクレーンを取ることが可能なので、複数のヘルスクレームを盛り上げています。

2023年機能性表示のトレンドは、マルチヘルスクレームによる差別化

2023年に発売されたマルチヘルスクレームを採用した機能性表示食品をみていくことで、トレンドを把握しましょう。

コカ・コーラから、「ストレス」と「疲労感」にWではたらくGABAを機能性関与成分として配合した機能性表示食品

引用元:PR TIMES

コカ・コーラ 「からだリフレッシュ茶W」はGABA配合の無糖茶で、「ストレス」と「疲労感」にWではたらく機能性表示食品。カロリー0、無糖なのでゴクゴク飲める設計。
複数の素材を入れることなく、GABAを配合するだけで2つヘルスクレームを訴求をできることから原料費用も抑える事ができる点がメリットです。

発売前からオフィスワーカーを対象にしたサンプリング活動などを行っており、職場や学校でリフレッシュしたい時に飲む飲料として開発されました。

KAGOME「野菜一日これ一本 トリプルケア」は健康価値が「わかりやすい」野菜ジュースとして好調

引用元:公式サイト

KAGOME「野菜一日これ一本 トリプルケア」は、食後の中性脂肪と血糖値、高めの血糖値対策サポートをしてくれる機能性表示食品。ロングセラーの「野菜一日これ一本」ブランドから登場しました。
野菜由来の「トマト由来食物繊維とGABA」を関与成分としており、機能性成分を添加しているわけではない点が特徴的です。

2018年に約2000億円だった野菜飲料の市場規模は、2023年に約1700億円まで落ち込む見込みと言われている中で、「わかりやすい」野菜ジュースは売り上げを伸ばしています。(参考:東洋経済

キリンビバレッジ・おいしい免疫ケア 睡眠は、発売3週間で年間目標の約5割を販売!

引用元:公式サイト

キリンビバレッジ・おいしい免疫ケア 睡眠」はプラズマ乳酸菌、GABA100㎎を配合したヨーグルトテイスト飲料。
免疫・睡眠のダブルヘルスクレームとなっており、プレリリースで「発売3週間で年間目標の約5割を販売」と非常に好調です。

好調の理由は①睡眠課題を起点とした新たな「免疫ケア」ユーザーの獲得につながっていること。②日常生活の中で自分をいたわる商品という点と考えられます。

キリン×花王の共同研究で、内臓脂肪と免疫活性に関する日本初の発見。

引用元:公式サイト

キリンと花王の共同研究で、内臓脂肪と免疫活性に関する日本初の発見として相乗効果があることを発見しました。

内臓脂肪量が少ない状態を保ち、pDC活性を高く維持することが、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザへの罹患リスクの低減につながることが示唆された。

公式サイト

実際にキリンと花王、双方素材で新商品を投入しており、それぞれの強みを生かしたダブルヘルスクレームにて新たな健康価値を消費者へ提供しています。

引用元:公式サイト

1つのヘルスクレームだけでは差別化が難しくなってることから、素材による囲い込みが各社メーカーで進みそうです。

キユーピー・ディアレプラスは、「免疫機能の維持」と「鼻の不快感軽減」「ストレス軽減」のトリプル機能訴求

引用元:公式サイト

キユーピー・ディアレプラス」は、免疫ケア&鼻の不快感を軽減&ストレスケアに役にたつ機能性表示食品。
キユーピーが開発した「酢酸菌GK-1」は、健康な人の免疫機能の維持だけでなく、花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減することが報告されている素材です。
鼻の不快感にストレスや疲労が関与している可能性が高いことから、相性の良い成分としてGABAを配合しています。

アサヒ飲料が免疫ケア&鼻の不快感を訴求した「守る働く乳酸菌W」を2023年6 月に発売した後の製品なので、「ストレス」の追加ヘルスクレームでの差別化を狙ったかもしれません。

日本初となる「8つの機能性」を持つビタブリッドジャパン・ジャパンプレミアムDHA&EPA+GABA

引用元:公式サイト

ビタブリッドジャパン・ジャパンプレミアムDHA&EPA+GABA」は、DHA・EPA。GABAを配合。これにより、「認知機能」 「血中中性脂肪」 「血圧」 「ストレス疲労」 「活気活力」 「睡眠の質」 「目覚め」 「肌弾力」と、”日本最多”となる8つのヘルスクレームを訴求しています。

1つで何役もこなしてくれるオールインワンサプリメントは、今後のトレンドになりそうです。

ダイエットコーヒー売上No.1の「C COFFEE」から、「お腹の脂肪」「整腸」日本初のダイエットサプリ

引用元:PR TIMES

ダイエットコーヒー売上No.1の「C COFFEE」からダイエットサプリが登場しました。
MEJ「C CLEANSE CHARCOAL CAPSULE DIET」は、お腹の脂肪×腸にWアプローチする機能性表示食品。お腹の脂肪​を減らす「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」、便通改善に導く「有胞子乳酸菌」を配合しています。

「お腹の脂肪を減らす」と「便通改善」の2つに働きかける日本初の機能性表示食品となっており今後、ダブル・トリプル訴求での日本初も増えていきそうです。

からだにユーグレナ ピーチミックス風味は、睡眠・お腹の調子を整えるWヘルスクレーム

引用元:公式サイト

ユーグレナ「からだにユーグレナ ピーチミックス風味 乳酸菌入り」はおなかの調子・睡眠の質・朝の疲労感をマルチサポートする機能性表示食品。
ユーグレナグラシリス由来パラミロン、植物性乳酸菌を関与成分としています。

睡眠は他のヘルスクレームと相性がいいことから、色んな素材との組み合わせがありますね。

アサヒグループ食品・ディアナチュラゴールド L-92乳酸菌&食物繊維で、免疫維持・腸内環境改善のWヘルスクレーム

引用元:公式サイト

アサヒグループ食品「ディアナチュラゴールド L-92乳酸菌&食物繊維」は、免疫維持・腸内環境改善のWヘルスクレームです。

アサヒグループ食品の調査にて87.8%の人が「健康維持のためには、腸内環境を良好にすることが大事だと思う」と回答し、腸内環境についても高い関心があることから、2つの機能をサポートする商品の開発に至ったそう。

睡眠と美肌に注目した2つの機能を叶える、ナリス化粧品・コラーゲン+GABA

引用元:PR TIMES

ナリス化粧品「コラーゲン+GABA」は、肌の潤いと弾力を維持する機能性表示食品。関与成分は肌の健康を守ることを助ける「コラーゲントリペプチド(GPHyp)」と睡眠の質(眠りの深さ)の向上をサポートする「GABA」です。
製品開発背景として自社アンケートにて「毎日ぐっすりとよく眠れている」と答えた人の約6割が、肌の状態も「毎日良い」という点に注目してW訴求としています。

引用元:PR TIMES

森永製菓から、肌・ひざ関節・骨に関する4つの機能性を訴求する機能性表示食品としてリニューアル

引用元:PR TIMES

森永製菓「おいしいコラーゲンドリンク プレミオ」は、肌・ひざ関節・骨に関する機能性表示食品としてリニューアル。
4つの訴求を行うために、セラミドの配合量を従来品の14倍配合し、機能性を訴求できるように設計しています。

「おいしいコラーゲンドリンク」ブランドのプレミアムラインであり、今後ヘルスクレームの多さ=プレミア化という製品戦略も増えていきそうです。

ジャパネット、自社開発の機能性表示食品「にんにくサフランW」にて、健康食品事業に参入

引用元:PR TIMES

ジャパネットたかたが、自社開発したのが「にんにくサフランW」で、身体的疲労感・精神的疲労感を軽減する機能が報告されている「にんにく成分」と、睡眠の質(活動時の眠気)を改善する機能が報告されている「サフラン成分」をWで配合した機能性表示食品です。

通販新聞社によると、粗利を減らしてでもよりよいものを作ろうと1年がかりで商品化を進めた。ジャパネットたかたは食品専用の通販サイトを2023年9月に立ち上げており、食品購入実績客にクロスセルとして本製品が開発されたようです。

2024年のトレンド予測

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