完全栄養食トレンド2023:「ベースフード」「日清食品・完全メシ」美味しさでさらなる成長・進化
スーパー、コンビニでも見かける機会が増えた完全栄養食。
富士経済のレポートによると完全栄養食の市場規模は2022年見込144億円、2030年には546億円となると言われている。
今後大きく成長が見込まれる市場である「完全栄養食」の中で、2023年の主要なプレイヤーは「BASEFOOD」「日清食品」です。
これら2社がラインナップの拡⼤を行い、市場を大きく伸ばしています。
そんな環境の中、大手メーカー、新興メーカー、海外メーカーが、「完全栄養食」のプロダクトを続々と投入しています。
そんな完全栄養食のトレンドをレポートとしてまとめました。
「完全栄養食」市場の認知はどれくらいか?
富士経済の市場完全栄養食の国内市場は2022年では144億円ですが、2030年予測546億円にもなると言われています。その背景になるのが、2021年末頃からのベースフードによるCVSなど小売店への全国展開、2022年の日清食品による新ブランド「完全メシ」の発売により、一般消費者の認知が急速に広がっている点です。
具体的にどれくらい認知が広がっているか?については、2022年のLINEリサーチの調査が参考になります。
「完全栄養食(完全食)」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。
日清、BASEFOODが完全栄養食の広告をガンガンを売っていることを背景に、消費者の認知拡大・利用機会が増えているものと推測されます。
完全栄養食は、どんなジャンルの製品があるか?
「完全栄養食」の明確な定義はありませんが、「日本人の食事摂取基準」に示された必須栄養素をすべて含んだ食品で、1食分で1日に必要な栄養素の約3分の1が摂れるように設計された食品を「完全栄養食」と呼んでいます。
完全栄養食は、大きく分けて3種類のタイプがあります。
麺類やパンなどの「主食系」
プロテインなど水などに溶かして飲む「ドリンク系」
スナックやクッキーなどの「おやつ系」
麺類やパンなどの「主食系」
麺類やパンなどの「主食系」が、完全栄養食市場のメインです。
日清食品、BASEFOODがラインナップを積極的に増やしているのが、「主食系」です。
日清食品は、33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求した「完全メシ」は「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、必要な栄養素を全て満たす食」をコンセプト。
「完全メシ」シリーズは、販売食数が1年間で、1000万食を突破し、2022年度は数々の賞を受賞しています。
元々はインスタント麺商品だけでしたが、冷凍ミール、スナック、飲料などのあらゆる食品を完全栄養食化していくようです。2024年度の売り上げ目標は100億円に設定しており、日本国内での完全栄養食市場でのNo.1を目指しています。
一方で、「BASEFOOD」はパンをメインに、パスタからパン、クッキーなど商品数を増やしていっています。決算資料によると、商品数の増加とともに売り上げは前年比80%の成長をしています。
成長の要因はドラッグストア・コンビニなどの店頭販売での取り扱い店舗の増加に伴う売上増加に伴い、一定数が自社ECでの定期通販へ移行しているようです。また、売上90%以上はパンですがクッキーなどのおやつ系だけでなく、冷凍パスタの食事系・冷凍弁当のデリ系を新商品として投入していくようです。
日清食品、BASEFOODは別々の食品領域を攻めていましたが、両社が同じカテゴリーで今後戦っていくことが見て取れます。
プロテインなど水などに溶かして飲む「ドリンク系」
プロテインなど水などに溶かして飲む「ドリンク系」は、完全栄養食市場の初期からあるジャンルです。
世界80か国に4000万食以上を発売している完全栄養食「Huel」は、2015年6月にイギリスで発売以来、80か国で4000万食以上を販売している完全栄養食です。
水に溶かして飲む粉末タイプと、すぐに飲めるボトル入りドリンクタイプの2種類を販売しています。
企業ミッションは「動物や環境への影響を最小限に抑えながら、栄養価の高い、便利で手頃な価格の食品を作ること。」で、Huel®の各製品は、環境に優しい商品という点が特徴です。
最近はVTuberを起用したタイアップ広告に力を入れており、ネット中心に認知が広がっています。
スナックやクッキーなどの「おやつ系」
BASEFOODがクッキーを販売するほか、湖池屋・日清食品がコラボして「完全メシカラムーチョ ホットチリ味」を発売しました。
2023年現在、「おやつ系」の完全栄養食はまだまだ少ないですが、今後増えていくと考えられます。
完全栄養食というジャンルの中で領域自体が広がり、ダイエット志向の方や栄養が偏りがちなビジネスパーソンなど、ニーズが拡大していきました。
それに伴い、市場商品ラインナップも増えていき、元々「ドリンク系」だけでしたが、麺類やパンなどの「主食系」→スナックやクッキーなどの「おやつ系」と増加していきました。
「おいしさ」で進化する完全栄養食
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