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2021/5/9 2021/5/7①

あれこれ悩んだ結果、どこへ行くにも荷物が多くなってしまうのは悪い癖だと思う。
ちょっとした外出にもアレはいるかコレは必要かと悩むし、それが旅行ともなると心配事が増えて、それが荷物の量と比例する。
心配性であり優柔不断である。

いつものように仕事を終え、終了の連絡を入れると、荷物にジャージを入れるか、ロンT1枚でいいか、折りたたみ傘はどうしようか、靴下の替えはいるか……といつものように悩み始めた。
5月の気候というものは恐ろしいものであり、昼は暑く夜は寒く、雨も風もあるときはあり、優柔不断をさらに不断のものにしてしまう。その上東京は小雨がパラついていたので、家から駅までのわずか数百メートルのために傘を持つのかという選択も迫らされていた。
結局、着替えは持たず、羽織るものも持っていかないことにした。インナーのシャツと靴下だけは替えを持っていくことにしたが、それを持っていくことにしただけでリュックを一回り大きいものにしなくてはいけなくなったので少し後悔した。荷物は少なくて小さいことに越したことはない。

一通り服を悩み終わった後は、他の荷物の検討が始まる。
財布とiPhoneと家の鍵は確実に持ってくし、カメラはT2とPro2どっちも持っていく。ちょっと心配かも知れないけどフィルムは27枚撮りでいいかな。モバイルバッテリーも必要だろうけど、10000mAhの普通のやつと5000mAhのコンセント一体型とどちらを持っていこうか、LightningとmicroBのケーブルは持っていくけど、そう言えばUSB-AとUSB-Cのケーブルは持ってなかった。iPadは持っていこうか持っていくまいか、持っていって何をするのか……。
悩みの種は全員平等に転がっているけど、悩みが少ないという人はそれを見つけても無視して歩けるのだと思うし、悩みの草が生えても花が開いても後から刈り取る術を知っている。逆に自分はどんな小さい悩みの種でも見逃さず、芽吹かないように一つ一つ潰して行かなくては前に進めない。悩みの芽が生い茂ったジャングルが怖くて歩けないのだ。怖くて歩いたことがないからそれらを刈り取る術も分からず、それが悪循環を形成している。性格上、刈り取る術を会得しても「トラブルが起きなかった!」という成功体験をストックするタイプの人間ではなく、トラブルに直面して「あの時ああしていれば……」をストックするタイプの人間なので、刈り取る術を会得するためのステップが人より多いのだろう。

かくして一通り悩み終えた後、イヤホンを持っていこうと探したら見当たらない。前に外出した時の服にも、違うバッグにも、いつも置いておく場所にもない。
どれだけ準備をしてもこういったことが起きると一気にネガティブモードに入ってしまう。
イヤホンは持っていかないことにした。

家を出て、駅前のコンビニでお茶を買う。
買うのだけど、ふとレジ前の雑貨コーナーでイヤホンが目に入った。
家を出る前にイヤホンが無かったという落ち度がまた自分を攻めだす。
「夜に移動するから、流れる夜景を眺めながら聴くラジオなんて最高かも!」と自分を無理やり納得させて、Lighitningコネクタのイヤホンを買った。本当はBluetoothのイヤホンが欲しかったけど置いていなかった。
外聴き用のイヤホンなんてたかだか知れてるからそこまで音質なんて重視しないんだけど、大した音質でもないイヤホンに3000円。
まだ地元から出ていない段階で恐縮なのだけど、今回の旅行を通してこの時ほど自分とApple社を恨んだことはなかった。

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