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生きて帰って来ること

【療養日記2024 6月5日(水)☀️】

 今朝は良く晴れていたが湿度も低くて気持ち良くウォーキングができたと思う。家に戻って少し休んでいたところに珍しく電話が掛かってきた。

 それは三十年来の付き合いの悪友のOだ。親友というにはちょっと馴れ馴れしいが、少なくとも自分の人生の幾つかの場面でその道を良い方にも悪い方にも変えてくれた掛け替えのない存在である。

 実はこのO、五月連休後半くらいから病院に運ばれて現在も入院中。つい10日ほど前に意識が戻りCCU(冠動脈疾患緊急治療室、だったっけ?)からスマホ解禁になりすぐTwitter(Xとも言うらしい)で現状報告をしてきた。

 今回は本当に生死の境を彷徨って何とか戻ってきたという感じだ。当然驚いたがその後どうやら一般病棟に戻ってスマホでチョコチョコ仕事をしながらも入院生活を送っている。そろそろ入院後一カ月が経過する。

 今回はとにかくこれまでの経緯から何から面白おかしく語ってくれたが本当に奇跡的に帰ってきたような感じだ。

 僕も入院生活の経験があるので入院あるある話やナースの愚痴に至るまで色々と話してくれた。

 意識が戻ってきて初めてテレビを観た時にキダタローの訃報を知っただの、搬送時の体重が200㎏にもなっていて現在減量している途中でリベルサスまで処方されて苦労しているだの、点滴カテーテルがやっと外されて自由の身になっただの、日常の事を色々と報告してくれる。

 こっちもだったらどうしたという話でも一つ一つ有難く聞けて本当に良かったと思った。黙って死んでしまったらこんな話だって聞けない。入院の苦労談もあれこれ話ながら、こんなことが話せるのは僕だけだと何度も言ってくれた。確かに同じ世代でこんな長期入院の経験者はまだ少ない。だから尚更なのだろう、色々と話をしてくれた。

 話の内容は多岐にわたるが自宅でのリハビリ療養に今後は移るようなことを言っていてそのあたりに不安を感じている様子だった。無理は禁物、焦ってはダメだが続けるべき事は続けなければダメと、とにかく自分の経験でしかアドバイスはできなかった。

 とにかく入院の知らせでは驚いたし、それからしばらくしてもう電話を寄越してくれた事も嬉しかった。電話では一時間半近く話をしたが、僕は何度も言った、
「生きて帰って来てくれてありがとう。」と。そのくらい嬉しかった。

 これから先まだOには色々と大変なことがあるとは思うが、生きて戻って来たことを直接報告してくれただけでも嬉しかった。

 頑張って動けるようになったら会おうと約束して電話を切ったが、今からその日が楽しみでもある。

 こんな話、自分も長期入院を経験したから話し合えるんだなと思う■


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