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お遍路ウォーキング日記(66:三十番善楽寺へ)

【2024年3月10日(日曜日) Day 66】

 一気に前進し札所二十九番土佐国分寺を打つ。この寺は田園地帯の真ん中にある森のような寺。夏場に巡礼をすることが多かったので夏の印象が強く、日陰の多い過ごしやすい寺だった思い出がある。

 真夏は遍路のオフシーズンでもあるがその頃の巡礼の思い出は正に日本の原風景の中の夏だ。四国というのはそういう場所でもある。やはり日本を代表する巡礼路が四国にあって正解だとさえ思うことがある。

 このお寺は国分寺と言うだけあり聖武天皇の「国分寺建立の詔こくぶんじこんりゅうのみことのり」により行基菩薩が千手観音像を刻み、それを本尊として開創され、後に弘法が毘沙門天を刻み奥の院に納めている。その頃から真言密教の寺となる。土佐国の国府だった時代もあり、その頃に紀貫之もいたらしい、だから「土佐日記」だと覚えやすい。

 後に兵火で焼失するも長宗我部国親や土佐藩主山内家などにより再興を果たし現在に至る。

 境内には「断酒地蔵尊」というわらにもすがる思いが痛いほど伝わりそうなお地蔵さまの祠もある。

 また最近では境内にカフェも設けられているという。夏のまっ昼間に鬱蒼と木々が茂り終わらない蝉時雨の中で冷たい飲み物を飲んで好きなだけ夏が感じられそうだ。

 この寺を打ち終えるとしばらくは田園地帯の中を通りいよいよ高知市にある札所三十番善楽寺に向かう。善楽寺の場所は昔より地域の信仰を一手に受けてきた土佐の一ノ宮、土佐神社のすぐ隣だ■

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