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アートと本とコーヒーと:ダイアナ妃の真実

1961年に生まれて1981年に英国チャールズ皇太子と結婚、そして1997年8月31日36歳の若さで自動車事故で亡くなったダイアナ元妃のことを、この頃、よく考えています。

わずか20歳で皇太子に嫁いだダイアナ妃は、遠く離れた日本の田舎の高校生たちにも強いインパクトを与えました。当時、同級生たちの髪型は、聖子ちゃんカットとダイアナ妃のヘアスタイルが二分するほどでした。

大学のため上京、そしてフリーランスのライターをはじめ多忙を極めていた頃、チャールズ皇太子、ダイアナ妃、それぞれのゴシップに世界の注目度は加速していました。

そして、24年前の夏の終わり。フランスでダイアナ元妃が交通事故で亡くなったというニュースが世界を震撼させました。わたしは、取材したインドネシアのモヨ島にある「アマンワナ」というリゾートホテルの校了直前。慌てて「ダイアナ妃がお忍びで宿泊したこともある」という記述を取り消しました。

実を言えば、いずれのときも、ダイアナ妃に対して、そう興味を抱けなかったのが正直なところです。

じゃあ、なぜ、いま頃……?

かなり遅れてやってきた、わたしのダイアナ妃ブームのため、古本で『ダイアナ妃の真実』を取り寄せました。

『ダイアナ妃の真実』を読みながら英国王室にも興味が湧いてきて、『芸術新潮 名画は語る!王と女王の英国史』のバックナンバーも購入。

11世紀と比較的遅く始まった英国王室ですが、残された肖像画で紐解く王や女王は個性派揃いのようです。もちろん、肖像画はお抱えの画家によって権威を示すことを第一義として描かれていますが、とはいえ、画家は芸術家。画家が受け取った、強い内面性が浮き上がって見えるような気がします。

さて、ダイアナ元妃。無邪気だった貴族の若い娘が、文字通りの百戦錬磨の英国王室に嫁いだ挙句の、悲劇の一人生だったのでしょうか。

それは違うなあ……、と自問自答。これからも、英国王室の歴史のなかで、ダイアナ元妃は息づいていく。ウィリアム王子とヘンリー王子、そして、さらに世代が移っていくなかで、ダイアナ元妃の王室での命懸けの葛藤は昇華され、時代のターニングポイントととなるのではないかと思います。

いま、ヴァン・ダイクがダイアナ元妃を描いたらどんな肖像画になるのかな空想しつつ、丸福珈琲店で一休み。舌に残る苦味のあるアイスコーヒーはこってりトロリのミニプリンとぴったり。ストローの袋にまでロゴが入っているレトロ感もかわいいです。


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