見出し画像

ただ声一つ

ロクデナシさんの「ただ声一つ」という歌がある。
https://youtu.be/5GUaMOpfmr8?si=pUaV9PLz_j8paUc0

姉が亡くなってからよくビデオ通話をするようになった姪がある日、

「この歌が好きなんだ」

と教えてくれた。

母親を8歳で亡くした姪。
亡くなってすぐの病院でも、お葬式の時も、その後も姪が泣いている姿をほとんど見ていない。

亡くなって駆けつけた病院で姪は、私の子供たち(姪からすると従姉妹)に数年ぶりに会えたことをすごく喜んでくれた。
葬儀屋さんとの打ち合わせの少しの時間、子供たちは霊安室で遊んでいた。
亡くなったばかりで少しおかしいかもしれないが、3人は楽しそうだった。

姪は「不思議なんだけど、2人(うちの姉妹)がずっと前からよく知ってる子たちみたい!」と言った。

3人が楽しそうに小声で話したり、クスクス笑ってる様子はまるで子供の頃の姉と私のようで、少し不思議な感覚がした。


そして数日後の葬儀。
告別式の出棺の時。
姉のまわりを姉が大好きだった蘭の花でいっぱいにしたのだけど、その時、姪は姉の顔に近づいて顔に触れ、誰にも聞こえない声で何かを話し、わずかに泣いているように見えた。


当時8歳の姪の心の中は誰にも分からないけど、この歌を聴くと彼女の心を思って涙が出る。

(写真は、姉が生前まだ元気な時に旅先から送ってきたもの。暖かい場所に旅をするのが好きでした。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?