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【創作】孤独

何もしない嫁に、律子は怒っていた。

孫の誕生日に、息子家族を誘った。

息子家族は、4歳の男の子と2歳の女の子がいる4人家族だ。

車で20分程のところに住んでいるが、月一程度しか遊びに来ない。
もっと孫に会いたい。息子に会いたい。

同年代の友人たちは、いつも嫁の悪口を言っている。
私はそうはなりたくない。と、律子はつぶやく。
自分自身が、義母とは同居していたが、あまり中が良くなく、幾度となる涙を流してきたからだ。
私はあの人とは違う、嫁にだって、優しくしたいと思っている。

律子は嫁にLIMEをした。

『いつも孫ちゃんの世話と、夫くんのお世話、ありがとう。有紗ちゃんのお陰でみんな元気で楽しく暮らせています。有紗ちゃんのこと、娘のように思っています。あきら君の誕生日にご馳走を作ろうと思っています。今週の土曜日の晩ご飯、いかがですが。』


30分後既読になる。
中々返事が来ないな、と思っていると、息子の将也から電話がかかってきた。

「あー、今度の土曜日?わかったよ。次の日予定があるから泊まらずに帰ろうと思うんだけど、お昼でもいい?あーうん、ありがとう。じゃあ、11時には着くようにいくよ。」

律子はがっかりした。本当は夜ご飯を一緒に食べて、孫と一緒にお風呂に入り、歯磨きをしてあげ、夜は泊まっていってもらいたかった。孫のお世話がしたかった。

夫の将和に伝える。
「今度の土曜日、将也たちを晩ご飯に誘ったんだけど、次の日予定があるからお昼に変更してくれだって。あーぁ、本当は泊まっていって欲しかったのに。残念。大体さ、有紗ちゃんにLIMEしたのに将也から電話が来たわ。有紗ちゃんはどう思っているのかしら。」

将和は新聞に目を落としたまま、「あぁ…」と言っただけだった。

今日も穏やかな一日となりますように。