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偉大なる酔漢の金言


俺が言いたいのは、なんでもいいからやりたいことみつけろって、それだけ。でね。これだって決めたら投げ出さずに最後までやる。それが男としての最低のルールなの。前に野坂昭如が言ってた。『オレはできないことも引き受けるが、最後にツジツマを合わせる。それが人間だろ』この言葉、気に入ってんだよ。「やります」と言った以上は、どんなことでもツジツマを合わせてやり抜くしかないってね。〜週間プレイボーイの赤塚不二夫の人生相談より〜
 できないこともでも必死こいてなんとかツジツマ合わせる。かつて仕事において、この言葉に勇気づけられ救われたことがある。ある大仕事を任され自分では出来ると思っていたが、周囲からは「本当に大丈夫か?」との声が多く、ついつい弱気の虫が騒ぎ出してしまった。しかしその時この言葉を思い出したのだ。敬愛する野坂昭如と赤塚不二夫よりいただいた金言。これがあれば周囲からなに言われようと気にするもんか!そう自分を励ましてなんとかやり遂げることができた。それ以後も難題にぶち当たると、この金言を思い出している。
そりゃ、オレだってマンガ家やめて別の仕事に就こうと思ったことだってあった。昭和32年くらいかな、トキワ荘の中でも、まず石ノ森が当たり、藤子不二雄が当たり、オレだけ置き去りにされてた時期があったんだよ。(略)オレ、絶望したね。自分は
マンガ家に向いてなかったんだって。(略)前にボーイをやろうと思った喫茶店にまた行くだろ。そうすると、ヤクザが子分連れて来てたの。(略)つい、「頼みます。弟子にしてください」ってお願いしちゃったら、「バカ言うんじゃない!お前はマンガ家になるって言ってただろう。だったら、ちゃんと最後までやってみろ!」って逆に励まされた。(略)絶望して人生投げ出すのは簡単だ。だけど、そこを我慢すると絶対に次にはいいことが起きるって。キミも、まず先に悪いことばかり起きて、これから良くなる番だと思えばいい。まだまだこれから先の方が長いんだからさ。うん、これでいいのだ!!
これも週間プレイボーイの人生相談から、大学受験に失敗して絶望したという青年からの相談に対しての赤塚先生の答え。これにも僕も励まされた。十代から二十代前半、対人関係がうまくいかず躓き続けていた。周囲は順調に就職、結婚と社会人として地位を確立していく中でまだまだ大人として未熟であることを自覚せざるを得ない日々。だが時間はかかっても、沢山恥をかきながらも、なんとか今日人並に生活を送るようになれたのは、この赤塚先生の教示が大きな支えとなってからこそ、と言っても過言ではない。
これからの我が人生においても、これらの金言はまだまだ輝きを発するときが来るであろう。

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