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EUサステナブル・ファイナンス・アクション・プランと日本の葛藤

最近五月蠅いほどよく耳にするESG、SDGs。

何となくパリ条約だ2030年目標だとは耳にしたことがあるが、17の目標を言ってみろなんて言われた日にはぐうの音も出ない。
カラフルなあの表しか思い出せない。
すらすらといえるのは国連の職員とキー局のアナウンサーくらいではないだろうか。
しかし、地球がダメになっているらしいので知ったこっちゃないなんて言っている場合ではないとも思う


「愛・地球博」(2005)「いま、私たちにできること。」(Touch!eco 2009(日本テレビ))なんて聞いていた時には、日本って環境に向けて力入れていてすごいなぁ、とぼんやりと思っていたが、
いつの間にか化石大国だと言われ、あらゆる面で日本は遅れているなんて耳にする時代になった。

とても置いていかれた気分。

どうして今日本企業がてんやわんやしているのか?

一因はEUサステナブル・ファイナンス・アクションプラン¹の存在。
元々は欧州委員会による行動計画で、目的としては資本の流れを持続可能な投資に向かせることなど。

それを実現させるために、EUタクソノミー²、SFDR³、CSRD⁴などが実行されつつある。

それ自体は何も問題ではないと思うのです。寧ろEUが自分たちの地域を守ろうとしているのでいいことだと思う(表面的には)

しかし、今はグローバルの時代。
EUという大きな地域に進出していない日本の大企業なんてあるもんですか。

そう、日本企業が慌てているのは確実に巻き込まれているから。
様々な国の子会社がEUに集まっている。
EUが独自のルールを形成する(もちろん、そこにある海外企業は適応しなければならない)

グローバルな世界では、ルールの浸透が早まることはもうわかりきっていること。
基準に従わなければ取引停止なんて最低のシナリオも描ける。

対応に追われている日本。
何とかしてよって。
何とかできるのはいち早く文句の言いようがない行動を示すか、それに勝るようなルールを形成するかの2択。

だけど前者はEUにグローバル世界における覇権を握らせることになって癪に障る。
(これが本当の目的だって、どこかでみんなわかっているでしょう?)

後者はルールを作るったって、作っている間に日本がポイされたらたまったもんじゃない。
後出しじゃんけんでは必ず勝てるものを出すのが鉄則。

そんな荒波に飲まれながら、企業は右往左往しつつもなんとかしがみついている。

(脚注)
1 EUサステナブル・ファイナンス・アクションプラン:2018年に公表された欧州委員会による行動計画。資本の流れを持続可能な投資に向けさせることや、金融リスクのコントロールを目的にしたもの。10項目のやるべきことを掲げていて、そのうちの3つがEUタクソノミー、SFDR、CSRDにあたる。

2 EUタクソノミー:投資家・金融機関・企業に透明性を提供し持続可能な投資を促進させるためにグリーンな経済活動と投資を分類するもの

3 SFDR:グリーンウォッシュを防止し、金融商品の比較可能性を高めるために、ファンドを3ランクに分類して評価するもの

4 CSRD:非財務情報を開示するNFDRをさらに強化し、広範囲に適用させようとするもの

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