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多様性とコーポレートガバナンスコードってなんだろう

社会人になってからガバナンス、モニタリングという言葉をよく耳にするようになった。
もちろんその議論は昔からあるのだが、学生時代にあまり詳しく触れてこなかった。

2021年はコーポレートガバナンスコード¹が改訂された。前回とどんなところが変わったのだろうと中身をのぞいてみた。
そこには、
社外取締役を3分の1もしくは過半数に~
年齢、性別、キャリアなどに対するキャリアの多様性の確保~
(そのほかにも沢山あるが)
などと書き加えられていた。ちょっと違和感。

洋画を見ていると、「プラダを着た悪魔」しかり、「ジョー・ブラックをよろしく」しかり、女社長は当たり前に出てくるし、社外取締役が余裕でCEOを切ったりする場面もよく見る。

現実ではどうなのか。
欧州の国々は2020年くらいまでに女性の役員・管理職への登用を30%~40%(国によるが)という目標を立てていた。(ちなみに日本は2020年までに30%。しかし現時点では届いている企業は10%程度。)
社外取締役に関しても、3分の1は少なすぎるじゃないかという反発の声も聞こえたり聞こえなかったり。

あれれ?日本???
もしかして、バブル期の24時間働けます!信用できるのは社内だけ!
女はどうせ寿退社するから別に大きなキャリアを用意しなくてもいいんだよとかの考えの方が近い感じ・・・?

あるセミナーに参加していた女性の方(海外の役員構成にも詳しそうな方)が言っていた。
「なぜ2021年にもなって多様性に対する具体例で一番初めに来るのが【女性】なのか?!」「これ、海外だったら時代遅れの話ですよ」(だった気がする)

確かにー。と思ったのが正直なところ。
海外では同性婚が認められるなど性的マイノリティに対しての理解があるのに対し、日本は2021年に「女性が会議で発言すると長くなる」だの「非生産的」だの発言して炎上していたお偉いさんいるような国。
女性を増やすことは着手しているがマイノリティは敷居が高いといって敬遠しているところだってあるはずだ。
多様性を考えようと大きく掲げているけれど、日本の根底的な浸透レベルはそんなもんなんだなぁと妙にしっくりと来た気持ちもある。

学生時代ESGとは縁がなかった私がこう思うのだから、積極的な活動をしている学生たちがこの事実を知ったときは衝撃が大きかったのではないかと思う。
若者は時代に沿って、ESGのことに目を向けている。積極的に取り組む企業でなければ嫌だとも言っている。

大きな組織はいつの時代も、いきなり適応するのは難しい。豪華客船みたいだけれどゆっくりと進路を変えている。

数年前まではまだまだ余裕と思われていたが、適応するまでのいざこざの時間も踏まえるともう時間はないと感じる。
世界から日本がはじかれてしまう前に間に合うのだろうか。

2022年の4月からはプライム市場²、6月にはISSB³の基準が提示される。
狭められていく選択肢のなかで、どう活動していくべきか。
企業も個人も見直していかなければならない時期なのかもしれない。

(脚注)

1コーポレートガバナンスコード:日本の企業が成長のために自社に必要なものを選んで取り入れることにより良いガバナンスを築き、企業の成長に繋げようとするもの。

2 プライム市場:2022年東証市場が改変され、4月から上場企業はグローバルを視野に入れるプライム市場、国内での活躍を主にするスタンダード市場、比較的自由なグロース市場の3つに分類される

3 ISSB:IFRS財団の傘下にあり、現在は主にサステナビリティの基準について協議している 

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